不動産投資実践ストーリー
 

6.購入後利回りアップの可能性を見つけるポイント

 
編集部:今回買った物件の場合、購入の決め手となったのはどんなところですか。
 
小林さん:利回りを上げられる印象だったからです。
私が物件を買うエリアは自宅から半径5〜10キロ圏内に絞っていますので、だいたいこのエリアだったらどれくらいの家賃で入居者が集まるかがわかります。
今回買った物件は6部屋中2部屋しか入居していなかったのですが、どうすれば入居者を集められるかイメージできました。
 
編集部:イメージ通り入居者が集まりましたか?
 
小林さん:そうですね。今は満室で利回り12%で回っています。
 
編集部:すごいですね。満室にするために具体的にはどういったこと考えましたか?
 
小林さん:まず、その物件はガスがプロパンガスでしたので、ガス会社を以前から付き合いがある業者に変更しました。
プロパンガス会社は競合が激しいので、導入時に給湯器などの設備導入費用を負担してくれることが多いのです。
その物件の場合は給湯器、エアコン、シャワートイレ、カメラ付きインターホンを無料でくれて、さらに設置協賛金までもらえました。
ただ、それをやってプロパンガス代が上がってしまうと、入居者さんにとってはデメリットになります。ですから交渉して料金を2割ほど下げてもらいました。
 
編集部:ガス会社にとってはすごい出費ですね。それでもやるからには、契約期間の縛りなどなにか条件があるのですか?
 
小林さん:そうですね。10年はガス会社を変更しないという契約になっています。
 
編集部:設備を充実させる以外には何かありますか?
 
小林さん:私の場合は、管理会社や賃貸仲介業者をリスト化して入居者募集情報をメールで一斉配信する仕組みを持っています。設備を充実させて物件の価値を高め、リストに募集情報を配信すれば、一気に内見者を増やすことができますので、比較的早く満室にすることができます。
 
また、その物件は地形がいいということもありました。公園に面していて、道路に角地なので3方向に開けています。都内ではそういう土地はあまりないのでこれもかなりいいポイントです。
駅から5分程度と立地もよく、まだ築20年ぐらいしか経っていない物件で、もちろん新耐震基準になっていますので地震にも耐えられるというのもいい点でした。
周辺環境も問題ありませんでしたのですぐに買付を入れました。
 

7.初めての融資成功のコツ

 
編集部:小林さんのように既に物件をお持ちで、充分な実績をお持ちの方だと、業者も買える方というのが分かっていて、いい物件を優先して紹介してくれるのですね。今回の物件も融資を引いて購入したそうですが、既にお付き合いがある銀行から融資を受けたのですか?
 
小林さん:はい。直前の物件を買ったときに貸してくれた銀行から融資を受けました。ある程度安い金利で借りられますし、何よりまずは早く物件をグリップしないといけませんので、融資審査が早いところじゃないといけないのです。その点すでに付き合いがある金融機関なら、返事が早いのでそこから借りました。
 
編集部:これからはじめて物件を買う人が銀行を開拓するにあたって一番重要なことは何ですか?
 
小林さん:物件の担保価値と自己資金割合です。金融機関は、万一支払いが滞った時に回収できるかどうかというところを見ますので、一概には言えません。
それから、金融機関によって不動産投資に好意的なところとそうでないところがあるので好意的なところに相談に行く事が重要です。
 
編集部:そういった情報はどこから集めるのが効率的ですか?
 
小林さん:不動産投資情報サイトや、雑誌や新聞にも掲載されていますので、日頃からアンテナを張っておくことです。
 
ただ、銀行融資の審査基準は実際には日々変わっています。同じ金融機関でも店によって違いますし、支店長の采配とか力量によっても変わります。担当者の力量によっても違う気がします。ですからやってみないとなんとも言えません。
 
編集部:とにかくやってみないことには分からないということですね。ところで不動産融資についてなにか最近のトピックはありますか?
 
小林さん:横浜銀行が融資残高を伸ばしているという記事が出ていました。横浜銀行が今まで貸し渋っていましたが、少しずつ緩めていって、不動産への融資額を取りに行っているのかもしれません。
スルガ銀行もまた不動産への融資を始めるという情報があります。今回膿を出し切って、また金利2%台ぐらいで始めようとしているということも言われています。スルガ銀行が貸し始めると、またちょっと不動産投資市場に活気が戻ってくるような気がします。
 

8.勝てる買付証明書の書き方

 
編集部:その他に、小林さんがいい物件を買うために心がけていることや行っていることはありますか?
 
小林さん:はい。買付を入れたときに「本当に買える人なんだ」ということが伝わるようにしています。
具体的には、自己資金がいくらあるか、そして額融資の内諾をもらったら、銀行名と支店名はもちろん担当者名や電話番号まで書いて、「融資はOK取れています」「連絡して確認を取ってもらっても結構です」くらいまで書きます
もちろん本当に確認することは無いと思いますが、ここまで書くということは相当自信があると思われますので、他の普通に買い付けを入れている人よりはランクは上がっていると思います。
 
編集部:それはこれからはじめて物件を買う人も、可能であれば、やったほうがいいということですよね。
 
小林さん:そうですね。僕も初めての物件は融資の内諾をもらった銀行の名前を伝えて「OK取れています」と書きました。
 
それと。不動産会社は本当に多いので、色んな会社から提案をもらって色んな話を聞くことも大事です。また営業担当者との相性も重要ですので、いい人間関係を作りながら進めていくことが大事です。
 

9.これからは戸建て投資に注目

 
編集部:今後の物件取得はどのようにお考えですか?
 
小林さん:いまのところ具体的には考えていませんが、いい物件が出たら買うかもしれません。
アパート・マンションの他、1,000万円台の戸建てを買っていくのもいいかなと思っています。
 
編集部:戸建てのよさはどういうところですか?
 
小林さん:まずファミリー世帯が借りるので入居期間が長いことです。管理もそれほど手間がかかりません。また、売却時はマイホームとしてのニーズもあります。その場合は住宅ローンを利用できるので売りやすいのです。1,000万円代ならそれほどリスクも大きくないです。
 
編集部:都内で1千万円台の戸建てだと再建築不可が多い印象ですがいかがですか?
 
小林さん:昨日も物件を見ていましたが、1,700万円くらいで再建築可の物件がありました。接道は私道ですけど、駐車場付きの3LDKです。探せばそういう物件があると思います。
駅から少し離れますが、1,000万円代で平成10年代築というのもありました。
 
編集部:戸建ては駅距離が多少遠くてもあまり問題になりませんか?
 
小林さん:駐車場と自転車置き場があればアパート・マンションほどこだわらなくていいと思います。さらにペット可にすれば差別化できますからね。
 

10.初心者がいい物件を買うために大事なこと

 
編集部:少し話が変わりますが、初心者がいい物件を買うために大事なことを端的に言うとどんなことでしょうか?
 
小林さん:端的に言うのは難しいですが、あえて言えば「選択と集中」ですね。
不動産投資はジャンルが広いので、あれこれやりたくなりますが、得意な分野に集中することが大事です。例えば私の場合は、土地勘がある場所で効率的に自主管理をするために、物件を持つエリアは自宅から半径5kmに絞り込んでいます。
やらないことはやらないと決めて、ドミナント戦略であまり借金はしないで利益を追求できる物件を買っていく。そのように方針を決めることが重要だと思います。
例えば会社員が、給料+月20万ぐらいキャッシュフローがほしいけど、あまりリスクをとりたくないという人であれば一戸建てを買って戸数を増やしていくことに集中する。もしくは5,000万円前後で利回り8%ぐらいのアパートを買えば、およそ15万円キャッシュフローが残ります。そういう物件だけを買っていくとか。
一方キャッシュフローベースで2千万以上欲しいという人が、6千万~1億の物件を何棟か買っていかないといけません。自分がどうなりたいかによってやり方を決めていく事が大事です。
 
編集部:自分のスタイルを確立することが大事ということですね。これから不動産投資を始める方に何かアドバイスはありますか。
 
小林さん:スルガ銀行の問題も収束しつつあって、不動産投資に家にとっていい環境が整いつつある気がします。悪徳業者や銀行が少なくなって、安全に不動産投資ができる環境になるのではないでしょうか。
 
またこれから次の悪徳業者が出てくるのかもしれないですけど、まっとうなビジネスになったのかなという気がします。今後融資が開いていけばチャンスだと思います。
 
編集部:膿が出た感じということですかね。
 
小林さん:はい。おかしな物件を高掴みさようとする悪徳業者が少なくなって適正な価格で買えるのかなという気がします。銀行と組んで高掴みさせようという動きは封じられましたので。
 
編集部:以前と比べると健全にやれるような環境になっているということですね。
 
小林さん:そうですね。そうは言ってもやっぱり勉強しないと。勉強して、先ほど言ったように自分の軸を作っていく。あと人任せにしないということですね。よく言われていることですけど、人任せにするとやっぱりその人の利益誘導が起こったりしますので主体的に考えて自己責任でやることが重要です。
 
ありがとうございました。
 
小林ヒロシさんの著書
 
『「自主管理」で年4000万円稼ぐマンション経営術』

『1日30分で年4000万円稼ぐ! スマホ1台でらくらく儲かる不動産投資法』
 
不動産投資家。楽待の「8人の成功者による不動産投資ノウハウ完全版 8つのステップ 2014」の講師に約2万人の投資家の中から選出される。
 
ゼロから不動産ビジネスを始めて、現在、東京都内に8棟(新築2棟、中古6棟)のビル・アパート・マンションとコインパーキング・月極駐車場を複数経営。
保有物件を自宅から5km圏内の地元に限定し、「ママチャリ」を駆使して自主管理している。稼働率は、ほぼ満室の98%をキープしている。
 
東京生まれ、東京育ち。大卒後、海外取引メインの商社、外資系マーケティング会社などを経て、2011年サラリーマンを卒業、独立。
 
MBA(経営管理修士)、中小企業診断士、1級販売士、GCS認定コーチ、英検準1級、法政大学院イノベーション・マネジメント総合研究所 特任研究員、地元の区の「ビジネス相談員」、企業顧問、経営コンサルタント、ネイティヴによる英語スクールの共同経営者など、様々な顔を持つ。
 
好きなことは、読書、サッカー、愛犬との散歩。
 
好きな言葉
成功とは、自分らしく生きること。
失敗とは、他人と比較して生きること。
 
インタビュー実施 2019年11月

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