20代で総資産6億円 家賃収入5千万円を作った「人生ピラミッド思考」とは【前編】

<不動産投資家実践ストーリー Vol.13>
八木エミリーさん

【この記事のPOINT】今回の不動産投資家実践ストーリーは、26歳で不動産投資をはじめ、わずか3年で6棟70室の物件を取得。総資産6億円、家賃収入およそ5,000万円、税引き後キャッシュフロー1,400万円の実績を作った若手不動産投資家、八木エミリーさんです。

八木さんは、証券会社での営業経験を通じて身につけた金融商品の幅広い知識と経験を持っています。また、ファイナンシャルプランナー2級・証券外務員一種正会員の資格を所持。

自らも株式投資で得た利益で不動産賃貸業に参入し、現在は不動産賃貸業のほか、若年層を対象にしたマネーを学ぶオンラインサロン「em会」を立ち上げ、若い世代の方を中心に金融教育を行っています。

八木さんのビジョンは、「生まれ育った地元への地域貢献」「金融教育を通じ日本の金融リテラシーを上げる」「シングルマザーのためのシェアハウス運営」と語っています。

「不動産投資は描いたビジョンを具現化するために必要な資金を得るためのツール」と八木さん。志が大きいだけでなく、卓越した行動力で一歩ずつ夢に向かって進んでいます。
不動産投資をはじめた当初は周囲から否定的な言葉をぶつけられ、不動産業者にも相手にされず、管理会社にも甘く見られるなど、若い女性特有の苦労があったそうです。
そんな中、心折れることなく高いモチベーションを保ち、精力的に行動し続け、短期間で実績を出せたのはなぜか?その秘密を語っていただきました。これから不動産投資をはじめる方は必読です。

1,「市長」か「お金持ち」か?

編集部:八木さん、今日はよろしくおねがいします。
まずこのお話を聞きたいのですが、出身地である地元の市長になろうと思ったことがあるということですが、本当ですか?

八木さん:はい。わたしは愛知県の海に近い田舎町で生まれ育ちました。学生のころ、過疎化が進み寂れていく街に、「この先どうなるのだろう」と不安を抱えていました。住む場所が東京に変わっても、故郷は家族や友達が住んでいる場所ですから「もっと魅力的な街にしたい」という思いをずっと持っています。

それを実現するためには「市長になるか、お金持ちになるしかない」と思ったのです。
よく考えれば、市長になるにはそこに住んでいなければいけませんのであまり現実的ではありません。でも「お金持ちになれば自分にもできる事があるはず」と思いました。

そのためにはまず「お金の勉強をしないといけない」と思い、新卒で一部上場の証券会社に入社しました。
その会社は、社員教育が徹底していて、「ここでみっちり鍛えられればどこへ行っても通用する」とまで言われています。社会人として基本的なことをきちんと身につけておきたかったので、自分を訓練する意味でその会社を選びました。

おもに営業を担当していましたが、1年で東海地区でトップの実績を出せるところまで行きました。

編集部:そして不動産投資に参入しようと思ったきっかけはどういったことだったのですか?

八木さん:はい。夢を実現する資金づくりのため、さまざまな投資手法を比較して、当時は市場が追い風だった不動産投資に参入しました。

編集部:不動産投資をはじめる前に、どんな勉強をしましたか?

八木さん:金融についての知識は一通りありましたが、不動産はまったく素人でしたのでそれから1年間、土日を全部使ってセミナーを受講しました不動産投資関連の書籍は100冊以上読みました

2,家賃収入が5,000万円でも生活がカツカツの理由

編集部:不動産投資は最初の物件から順調に運営されているということですが、物件選定はどのような基準で行っていますか?

八木さん:物件選びでは積算価格を重視しています。利回り8%以上、税引き後キャッシュフロー2%以上、返済比率50%以下を条件に探しています。あとは自分が住むならどうかという視点で、物件の回りの施設や環境を見ています

入居率は97%でキャッシュフローは順調に拡大していますが、「贅沢は目標を達成してから」と決めているので不動産から得た収入は一切生活に使っていません

不動産以外の収入で生活していますが、慈善団体に1割を寄付、1割を実家に、3割を貯金し、残りの5割で生活しています。だから、結構カツカツの毎日です。家賃年収5,000万円近いようにはまったく見えません(笑)

3,周囲の声に惑わされない方法

編集部:堅実にやっていますね。ところで、「地元の活性化」というビジョンに向けて何か具体的なアイディアをお持ちですか?

八木さん:はい。アイディアはたくさんあります。たとえばひとつのアイディアとして稼働していないホテルを買って再生することを考えました。それが実現できれば県外からも集客できますし雇用を生み出せますから地元活性化につながりますよね。

あるいは、ベンチャーキャピタルという形式なら、自らホテルを開業しなくても間接的にホテル経営を支援することはできますし、上手にM&Aすれば後継者不足問題の解決につながる可能性もあります


編集部:八木さんがその夢をお友だちや周囲の人に話をすると、「そんなの無理じゃない」などというネガティブな反応をする人もいるのではないかと思いますが、そのときにどういう対応をしていますか?

八木さん:はい。以前は否定的な声がありましたが、最近はいろいろなメディアでわたしの考えを紹介いただいているので、「八木さんならできそうだね」という反応が多くなってきています。

編集部:肯定的な声が増えてきた理由は何だと思われますか?

八木さん:それはわたしがいろいろなところで自分の夢を言い続けていることと、それに向かって行動し続けていること。そして何より不動産投資がうまく行っていることが伝わってきたからだと思います。あとは、そのように肯定してくれる人たちと付き合うようになったということですね。

編集部:この記事を読んでいる方の中にも、八木さんのように大きな夢を持って、「その実現のために不動産投資を成功させたい」という方がいらっしゃいます。しかし、周囲から反対されたり否定的なことを言われたりする場合もあると思います。そして心が折れてしまうこともあるかもしれません。

八木さんも以前は、否定的な言葉をぶつけられたこともあったということですが、心が折れることはありませんでしたか?

八木さん:ありましたが、それはもう割り切っています。周りの声はいいことも悪いことも情報のひとつでしかありません。だから「そういう意見もあるよね」と捉えて、それに自分が惑わされる必要はありません大切なのは、「自分がどう生きていきたいか」ということです。そこがブレないようにすることが一番大事だと思います。

4,ブレない軸を作り強化する方法

編集部:そこをブラさないようにすることは多くの人にとって非常に難しいことではないかと思います。なにか目標を持っても、他人の意見に流されたり諦めてしまったりすることがよくあります。しかし、八木さんは確固たる自分の「ブレない軸」を持っているように感じますが、それはなぜだとおもいますか?

八木さん:はい。手帳に自分の人生理念や目標を書いてあるのです。これを毎日見て自分にアファメーション(自分に対する肯定的な言葉)をかけています

成功している人の書籍や研修で学んで2年くらい前にこれをやり始めました。それからブレない気持ちが強まったと思います。
あとは、ここに書いてある人生理念や目標をどんどんアウトプットしていることです人に話をすれば、それを簡単に変えられなくなりますし、自分も聞いていますから、潜在意識に刷り込まれます

5,一番の学びは「実践」

編集部:なるほど。それほどの覚悟があるわけですね。
話が変わりますが、八木さんは、不動産投資をはじめるときに、不動産業者になかなか相手にされなかったということですね。そのときに負けずと不動産業者を50件以上回ったということです。とても行動力が強いように感じます。
不動産投資にも強い行動力が必要ではないかと思いますが、不動産投資に関心がある人の中には、勉強はしていて知識はたくさんある。でもなかなか一歩を踏み出せない。そういう時期を過ごしている方も多くいらっしゃいます。そういう方が行動を起こすにはどうしたらいいと思いますか?

八木さん学んで何もしないというのは一番もったいないと思います。本代やセミナー代を払っているのに、その分のリターンが得られていないし、時間も無駄になっています。

実際に行動したら一番勉強になります。 どんな本を読んでも、どんなセミナーを受講するよりも、実践が一番勉強になります。時間も財産ですから、行動してほしいと思います。

6,不動産投資は何のため?

編集部:ありがとうございます。ところで、不動産投資を行う場合に、知識を得たら実際に行動することが一番大事だと思います。その他に「マインド」というのも重要な要素だと思いますが、八木さんはどれが一番大事だとおもいますか?

八木さん:それは絶対にマインドです。

編集部:なるほど。マインドについて八木さんはどういうところが重要だと思いますか?

八木さん:そうですね。そもそも「本当に不動産投資をやりたいのかどうか」を考え、やりたいのだとしたら「何のために不動産投資をしたいのか」というところに立ち返って考えてみてもらいたいと思います。

絶対にやりたい理由があるのならやればいいと思います。もしも、ただ単に「儲けたい」「楽をしたい」そういう理由だったらやらないほうがいいと思います。不動産投資は、楽して儲かるものではないので。……続きを読む

取材・執筆 『不動産投資Navi』編集部 清野秀之

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