会社員を続けながら家賃収入2,000万円を実現 中古戸建投資で成功する極意【後編】

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5,DIYで利回りを高め、戸建投資を成功に導く

編集部:先ほど「利回りは25%以上」とうかがいましたが、ご自身でも物件のDIYをなさっているそうですね。そうすることでリフォーム費用を減らし、利回りを上げていらっしゃるのでしょうか?

日曜大家さん:そうですね。自分である程度リフォームすることもあれば、状況によっては信頼できるリフォーム会社と連携してやってもらうこともあります。直近で購入した物件に関しては、自分で工程管理しながら、平日はリフォーム会社にお願いして週末は自分で仕上げました。

編集部:DIYを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

日曜大家さん:初めて購入した物件では一切やらず、丸投げしたんです。仕上がった状態を見に行ったのですが、自分がここに住むという視点で見ると気になる点がいくつか見えてくるといいますか……。どうしても不動産会社は、自分たちが一番気になる部分だけをリフォーム会社に依頼するものなので、直した部分と直さなかった部分とで差が大きく生じますし、本当なら直した方がいい部分がそのままになってしまうこともあります。見てみて「自分が住むのは厳しいな」と思い、気になった部分を自分でリフォームして、それなりに綺麗に仕上げました。二棟目からは「丸投げじゃだめだな」と自分でできるところを少し対応し、四棟目か五棟目でしょうか、「リフォームを勉強したい」というのもあり、その物件は自分で全て直しました。その後は、物件の状態やスケジュールにあわせて、リフォーム会社への依頼と自分で対応する比率を変えています。作業の大変さや費用ももう把握できているので、物件ごとに判断しています。

実は、祖父が大工でした。私も子どもの頃から木の切れ端で何か作ったり、障子や襖、網戸の張替えを手伝ったりしていました。結婚して社宅に入る際、ある程度リフォームしてもいいと言われて、収納棚やカウンターキッチンを作ったこともあります。生活しやすい住まいにするために日曜大工をしていたのが、今につながっているのかもしれませんね。

6,不動産投資成功の4ステップ

編集部:不動産投資を成功させるコツにはどのようなものがあると思いますか?

日曜大家さん:「不動産投資=不労所得ではない」と考えましょう。不動産投資にはさまざまな問題が発生しますが、その都度どのような対策を講じるかによって大きく収益が変わります。
また、常に情報のアンテナを張って情報を取り入れ、実践することが大切です。

こんなことがありました。
今年(2019年)の幕張メッセで行われた日本最大級のDIYショーに参加しました。色々な企業の最新の工具や設備を直接見て触って感じることが出来る機会です。そこで高圧洗浄機の展示がありました。今まではケルヒャーを使用していましたが、ケルヒャーを上回る高性能で価格が安い蔵王産業の高圧洗浄機に出会いました。吐出圧力も高く、低価格です。実際に洗浄効果を肌で感じて購入を決めました。このように常に情報のアンテナを張ってすぐに行動してみてください。情報を得たら、すぐに実践・行動することが成功の近道だと私は考えております。

不動産投資を軌道に乗せるには、以下の4ステップがおすすめです。
 
ステップ1:不動産投資基礎知識の習得
不動産投資を始めるにあたって必要最低限の知識を得るために、書籍を最低20冊は読んでください。本は1,500円前後で購入できます。その1冊には、著者の持っている知識やノウハウ・経験がぎっしり詰まっていて、費用対効果が非常に高いんです。私も100冊以上読みました。ロバート・キヨサキの『金持ち父さん 貧乏父さん』も読みましたし、日本の投資家なら加藤ひろゆきさんやNSX投資の松田淳さん、『まずはアパート一棟、買いなさい!』の石原博光さんの本も読みました。今ではその三人とも親しくさせていただいております。本を読んで自分の投資スタイルを決め、目標を立てて進めていくのがいいと思います。ウェブコラムやブログなども情報の宝庫ですので、定期的に読んで知識を得てください。
 
ステップ2:不動産投資セミナーへの参加
書籍で基礎知識を習得したら、セミナーを受講しましょう。成功している方の生の声を聴く絶好のチャンスです。モチベーションが上がり「自分も成功するぞ」という強い意志を持つこともできます。一番良い点は、直接セミナー講師に話す機会が得られること。参加している方とも知り合いになるチャンスも生まれます。恥ずかしがらずに積極的に声をかけて、仲間を作ってください。そして、セミナーで聞いたいい内容をすぐ実践に移しましょう。

ステップ3:頭金や融資などに使う資金の準備
スタートするには、自己資金をある程度貯めておく必要があります。諸費用や頭金を確保するために、資金を準備する習慣をつけましょう。現在の融資状況から、融資を受ける場合は2~3割程度の自己資金は準備しておく必要があります。諸費用は物件価格の6~8%程度。これを目安に、自分の希望する物件価格帯から必要な資金を想定し、資金を準備してください。

ステップ4:物件調査知識の習得
ネットや不動産業者などから物件の情報を収集し、購入に値する物件なのかを自己評価しましょう。物件資料のチェック方法や現地調査確認方法などを習得することが大切です。

実際、私も50件以上の物件調査を実施しました。ネットで物件を調べて「案内してくれませんか」と依頼することもありますが、購入したいエリアの不動産会社を調べてこちらから問い合わせをし、勧められた物件を見に行くこともあります。実際に購入した物件も、不動産会社から内々に紹介してもらったものがほとんど。やはり、不動産会社には会いに行って関係を構築したほうがいいと思います。話をするうちに、担当の方と自分が合うか、ある程度つながりを保っていけそうかわかっていく。上手くやっていけそうだとお互いわかれば、いい物件を紹介してもらえるようになると思います。担当の方といろいろ話せますし、実際に物件見る経験もできるのでおすすめです。

最近3棟購入しましたが、いずれもそのように不動産会社から紹介されたものばかり。ひとつは築40年近いアパートですけれど、売主様の資産整理ということで土地値の2分の1以下の額で売ってもらえました。空室をリフォームして埋めれば利回り40%くらいになる見込みです。残り2棟は戸建で、そのうちのひとつは広告掲載しにくい物件だったので土地値の約3分の1にして売ってくれました。利回り100%を狙えるくらいに仕上がりそうです。

編集部:これから不動産投資を始めたい人が、日曜大家さんのように不動産会社といい関係を構築したいと思ったら、何から始めたらいいのでしょうか?

日曜大家さん:「楽をして儲けよう」という人が多いのですが、やはり努力しないと成功は難しいと思います。運が良さそうに見える人たちって、見えないところで結構努力しているんですよ。時間を作って業者さんに会いに行ったり、業者さんからの依頼に快く応じたりすることが大切です。不動産会社も他業界から若い人材がどんどん入ってきていますので、彼らから相談を受けて飛んで行ってアドバイスすることもありますよ。知識や経験を伝えることで物件が売れるようになり、有難がってもらえる。それがやがて、いい物件の紹介につながる。「どうすれば相手が喜んでくれるか」を考える癖をつけることが大事だと思います。

編集部:いい物件を見極めるコツはありますか?

日曜大家さん:正直、広告に掲載されている物件の情報だけではわからないことが多いものです。まずは、掲載情報からどのくらいの土地値か、築年数からだいたいの評価額はどうなるかをざっくり考えます。次にそのエリアの家賃相場を調べ、どれくらいの利回りになるかを逆算。そして物件調査をし、床から壁から天井裏からすべて確認してリフォーム費用がどれくらいかかるかを見極めます。自分でリフォームできれば別ですが、物件そのものは安くてもリフォームに高額の費用がかってしまうと、上手く運用するのは難しいですから。

そのように物件を見極めていくには、先ほども挙げたように大家仲間を作り、彼らの物件を見せてもらって経験を積むことも大切です。どんどん物件を見に行って、知識や経験を蓄えてください。物件を見に行くのが一番楽しいし、宝探しのようなワクワク感がありますよね。物件を見てイメージを膨らませて、どれだけ費用をかけてリフォームするか、どれくらいの家賃で貸すかなどを考えていきましょう。どうしても難しければ、業者さんと仲良くなって一緒に見てもらうのがいいでしょうね。

7,自分の強みを不動産投資に活かすことが大切

編集部:不動産投資を始める人が気をつけておくべきことはありますか?

日曜大家さん: 基礎知識や学んだことをすぐに実践する行動力も大切ですが、多少のことでは動じない精神力も必要です。

とはいえ、精神力をいきなり鍛えるのは難しいもの。まずは、トラブルがあっても大きな被害に発展しそうにない物件から始めれば、多少何かあっても後で話のネタにできるくらいで済みますし、経験値が上がります

あとは、人それぞれ持っている強みを活かすことも大切。コミュニケーション能力が高ければ、不動産会社やリフォーム会社といい関係を構築していけるでしょうし、私のようにDIY好きならリフォームしてみるのもいいでしょう。賃貸経営に限った話ではありませんが、自分の強みを最大限に活かしていければ、結果的に成功につながるのではないかと思います。

8,家賃収入2,000万円を実現しても会社員を辞めない理由

編集部:これからもっと不動産投資を拡大していきたいとお考えですか?

日曜大家さん:基本的には「いい物件があれば買う」。どんどん増やしていこう、という考えはないです。紹介されたものが自分の基準に合っていれば買いますし、合わなければ買いません。そこは今まで通り、平常心でやっていこうと思います。

私はまだサラリーマンを続けていて、管理職として部下もいる立場。家賃収入を考えたらもう辞めてもいいのかなと思いますし、子どもの教育資金ももうさほどかからなくなりました。大家仲間の中には既にリタイアしている人もいます。でも、少なくとも子供が社会人になるまでは、サラリーマンとしてしっかり働く姿を見せていきたい。それが妻の願いでもありますし、私も賃貸経営と同様に現在のサラリーマンも割と好きです。
サラリーマンで忙しい中、限られた時間を有効活用して賃貸経営をいかに効率よく運営するかを常に考えるのが好きです。
その考えが、構想通りうまく出来ると嬉しいですよ(笑)



編集部:ありがとうございました。中古戸建再生による不動産投資についてさらに詳しく勉強したい方は、日曜大家さんの著書『戸建のDIY再生による不動産投資-家族と一緒に楽しくDIYしながら家賃収入を得る法』を読んでみてはいかがでしょうか。


【日曜大家さんプロフィール】
大学卒業後、ごく普通のサラリーマン生活を送る。
子どもの教育費の負担や老後の不安から、2012年に350万円で戸建てを購入し不動産投資を開始。不動産については全くの素人で、経験も知識もなしから2019年までに戸建20棟、アパート1棟を所有。物件はすべて自宅から1時間以内に取得。
安く一戸建てを購入し、自分でできてしかも費用対効果の高いリフォームを実施。それ以外は業者に発注し、費用削減を図りながら再生することを得意とする。不動産情報サイト『楽待』のコラムニストとして実践大家コラムを執筆。

著書:『戸建のDIY再生による不動産投資―家族と一緒に楽しくDIYしながら家賃収入を得る法』(セルバ出版)

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