不動産投資実践ストーリー

<不動産投資家実践ストーリー 100年大家 中川弘貴さん>

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5,なぜ新築アパートを選んだのか?

 
編集部:ありがとうございます。そして、最初の物件からすべて新築アパートを購入していますが、なぜ新築にこだわったのですか?
 
中川さん:はい。最初の物件は、川崎市の駅徒歩16分に室数16室、1億2,000万円の物件を、不動産業者に紹介してもらった金融機関から金利1%台30年のフルローンで借りました。表面利回り9.6%で回っています。
 
将来経済的基盤をつくるための不動産投資ですから、買い増しを前提に考えていました。そう考えると、最初は積算評価が高い築古地方RCや土地が広い物件のほうが有利になるわけです。新築は価格に対して積算が足りず、信用を毀損し、買い増しのときに個人属性だけでは融資が引けなくなる恐れがあります。
 
それでも木造新築を選んだのは、管理に手間がかからないことを最優先したからです。当時は会社の仕事が忙しく、本業以外に手間をかける余裕がありませんでした。ですから、買増できないリスクよりも手間がかからないことを優先しました。
 
それに、当時は地方の中古RC物件への投資が流行っていたため、物件価格が上がって新築と利回りが大きくは違いませんでした。
 
また、不動産投資セミナーで知り合った先輩不動産投資家からのアドバイスで、30年先を見据えて考えました。そういう観点で見ると、地方の中古物件は人口減少のリスクが高まりますが、首都圏なら場所を選べばリスクを軽減できます
 
新築なら、自分で土地を選べますし、どういう建物を建てるかも一から決めることができます。わたしの場合は、一定のキャッシュフローを得たかったため駅から遠く狭小物件というリスクを取りました。候補となる土地は駅から遠い場所でしたが、周辺を調査したところ、駅から遠くても新築は満室の物件ばかりで、築古でなければ狭小の物件もあまり空室がない状況だったため、このリスクは取れると判断し、駅から遠い狭小物件という選択をしました
 
 

6,個人属性限界突破法

 
編集部:ありがとうございます。実際に1件目の物件を持っていかがでしたか?
 
中川さん:はい。物件完成後すぐに満室になり、4年経過した現在も安定稼働しています。1件目の物件を契約してから完成まで10ヶ月ありました。この間は受験生のように不動産について勉強し、入居者が住みやすい物件運営を実践しています。
 
狭小物件なので出入りは多いですが、最も長い期間空いても3ヶ月で次の入居者が決まっています。この物件を選んで良かったと思っています。
 
編集部:2件目の物件はどういう物件ですか?
 
中川さん:2016年に完成しました。これは横浜市の某駅徒歩17分、10室9,000万円、表面利回り8.5%です。これは自分で開拓した金融機関から約1%、25年のフルローンで借りました。
 
2棟目も1棟目同様手間がかからないことを最優先にし、1棟目同様キャッシュフローを最大化するため駅から遠い場所を選びました。1棟目とひとつちがうところは、少し広い部屋ということです。一棟目は駅から遠いことと狭小の2つのリスクを取りキャッシュフローを最大化しましたが、2棟目は、少し利回りを下げても長期間入居いただき経営を安定させたかったからです。
 
編集部:なるほど。稼働状況はいかがですか?
 
中川さん:10室満室です。やはり1棟目より出入りが少なく、退去しても1ヶ月ほどで入居者が決まっています。こちらは管理会社がしっかりしているので手間がかからず安心しています。
 
編集部:ありがとうございます。そして3棟目を購入されたわけですが、新築を2棟買ったことで、当初懸念されていた信用毀損で融資が引けなくなる事態にはならなかったのですか?
 
中川さん:はい思っていたとおり個人の属性には限界が来て、なかなか融資を引くことができませんでした。しかし、最終的には2つの理由で借りることができました。
 
ひとつは、物件価格の2割の自己資金を入れたこと、もうひとつは、法人としての実績ができたからです。
1棟目から、規模拡大を考えていたため法人で不動産賃貸業を運営していました。1期目から黒字決算を狙っていたため、物件完成直前に会社を設立し、その期の売上を最大化しました。物件は順調に稼働しているため、売買諸経費を計上しても初年度から黒字になっています。2期目も黒字、3期目も黒字が見えていたため、この実績が評価されて融資を引くことができました。
 
物件は、都内の某駅徒歩7分に8室9,980万円で、家賃収入およそ700万円、金利は約1%です。
 
3棟目は、完成後一つの法人から入った5室の入居申し込みキャンセルがあり、客付けに少し手間取りましたが、当初の想定通り3物件の中で最も安定稼働しています。
 

7,わたしがいまからはじめるなら

 
編集部:なるほど。やはり事業として取り組んでしっかりと利益を出すことが重要ですね。
ところで、2019年の今、中川さんが不動産賃貸業に参入されたときと不動産投資を取り巻く環境が変化していると思います。
もし仮に、中川さんが今から0ベースで不動産投資に参入するとしたらどういう手法をとりますか?
 
中川さん:そうですね。築古物件に憧れますが、やはり今でも新築を買うと思います。というのも、今は融資が締まって物件価格が下がってきているとは言え、まだそれほど新築と差があるとは思えません。基本的には新築物件を取得するために、いかに融資を引くかということがポイントになると思います。
ただ、やはりフルローンは難しくなってきていますので、いかに自己資金を作るかというところが重要です。買いたい物件物件の2割程度の自己資金がない場合は、それを作るステップが必要になりますが、2割の自己資金を入れても新築を買います。
 
編集部:ありがとうございます。これから不動産投資をはじめる方は、目指すキャッシュフローを得るために必要な物件価格の2割程度自己資金がある事が前提となりますか?
 
中川さん:融資はケースバイケースで、一概には言えませんが、もし、それくらいの自己資金があるならば早めに始めたほうがいいと思います。
不動産投資は資金のレバレッジだけでなく、時間のレバレッジの恩恵も受けることができますから。
 
編集部:なるほど。ありがとうございます。これから不動産投資をはじめる方になにかアドバイスを頂けますか?
 
中川さん:そうですね。まずは不動産投資の知識がないといけませんので、不動産投資関連の本を読んだり、セミナーに参加するなどで勉強したほうがいいと思います。
それと、大家の会などへ参加して自分が目指すスタイルと近い人と知り合って情報交換をするといろいろと見えてきます。
 
ただ、知識を増やし仲間を作っても行動しなければ何も変わりません。そういう人が結構多いです。まずは行動を起こすことが大事なので、小さな物件でもいいので、ぜひ行動に移して欲しいと思います。
 

8,人生100年時代への備えはできた

 
編集部:話が変わりますが、最近会社を卒業し起業されたということですが、どういった業種ですか?
 
中川さん:はい。ずっと携わってきたIT関連で、システム開発会社を立ち上げました。不動産賃貸業の収入で経済的な生活の基盤ができ、念願の起業を実現することができました。今後は当分の間こちらの仕事に注力していきたいと思っています。
 
編集部:不動産賃貸業はしばらくお休みですか?
 
中川さん:もちろんさらに拡大していきたいと思っていますが、これまでのようなペースではなく、10年20年単位でじっくりと物件を探して、いいものがあれば買いたいと思っています。
 
編集部:ありがとうございます。人生100年時代への備えはカンペキでしょうか?
 
中川さん:いえいえ、カンペキというには時期尚早です。火災・地震や金利上昇、家賃下落、空室率の上昇等を考えるとまだまだ充分とは言えません。一方で、一定のキャッシュフローを得られているので、100年時代を生き抜く最低限の備えは出来たようにも思います。
 
 
ありがとうございました。

中川さんのお話を聞いて感じたことは、論理的で手堅い不動産賃貸経営をされているということです。特に、新築アパートの「管理の手間がかからない」というメリットを活かしつつ、「積算評価が低くなるため買増しにくくなる」というデメリットを、法人運営で実績を作り融資を引くという手堅い手法が印象に残りました。不動産投資のリスク回避法がわからず一歩踏み出せない方や、どの手法で不動産投資に参入しようか迷っている方にとっても役立つお話しだったのではないかと思います。ぜひあなたの不動産投資成功の参考にしてください。
 
なお、中川さんはMBAホルダーでもあり、その知識を活用し不動産投資に関するコンサルティングも行っています。相談したい方はお問合せしてみてはいかがでしょうか。
hiroki.nakagawa.ld@gmail.com


 

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