不動産投資実践ストーリー

<不動産投資家実践ストーリー #8> 「全空★王子」清水まさふみさん

【この記事のPOINT】

今回の不動産投資家実践ストーリーは、東海エリアで11棟220室の物件を保有し、家賃収入1億2,000万円を得るメガ大家、「全空★王子」こと清水まさふみさんです。
 
清水さんは通販会社を経営する傍ら、2009から不動産投資家として不動産賃貸業に参入し、名古屋を中心に東海地区で、独自の手堅い手法で大きく拡大しています。
 
特に、全空物件やガラ空き物件の、高利回り満室運営への再生を得意としています。その実績から「全空★王子」というニックネームがつくほど。
現在その手法を不動産投資家向け講座や講演会で伝えています。また動産情報サイト『楽待』のコラムニストとしても活躍されています。
 
今回は多くの不動産投資初心者に参考にしてほしいノウハウを惜しみなく語っていただきました。ぜひ参考にしてください。  

1,この視点が利回りを上げる

 
編集部:清水さん、今日はよろしくおねがいします。
清水さんは、以前ネット通販の会社を経営されていたということですが、どのようなきっかけで不動産投資をはじめたのですか?
 
清水さん:はい。ネット通販をはじめる前、20代のときに、多くの不動産投資家が読んでいる『金持ち父さん貧乏父さん』を読んで「こういう生き方があるのかと」感銘を受け、不動産投資を始めようと思ったのです。しかし、その元手となる資金がありませんでした。
 
そこで2004年に、まず資金を作ることを目的に、中古携帯電話の通販会社を立ち上げました。2009年からそれと並行して不動産投資をはじめたのですが、徐々にそちらへ移行していきました。そして10期目の2014年にネット通販の会社を精算して、不動産投資業に集中することにしました。
 
編集部:ありがとうございます。それからどのように拡大されてきたのでしょうか?
 
清水さん:最初の物件は2010年、愛知県に1R×24戸のRC一棟物件を法人で買いました。それから1年弱の間に100戸近くまで規模を拡大しましました。
 
考え方としては、いかに利回りを高くするかということを重視しています。1億円の借金をしてキャッシュフロー100万円程度ではあまり面白くないので1億円借りたら400万円〜500万円くらいは目指したいと思ったのです。
 
そういう観点で物件を探すと、残存年数と利回りを考えると、全空物件や空きが多い物件しか対象にならなかったのです。
なので、高い利回りを実現する方法として、全空やガラ空き、漏水、滞納など問題がある物件を、競売や任意売却で買い、いかに満室にするかに注力しました
 
今は、11棟220室まで増えています。ぜんぶ法定耐用年数内の融資で平均利回り15%超。
返済比率も40%前後が多いです。規模だけならもっと拡大できましたが、ある程度筋肉質な決算書にこだわってきました。
 
 
 編集部:ありがとうございます。全空やガラ空きの物件は、客付けに苦労しそうな印象がありますが、どのような工夫をされているのでしょうか?
 
清水さん:そうですね。たしかにそういう物件はメンテナンスが行き届いていない物が多いですから、リフォームが大変ですし、入居者を集めるのも大変です。
 
でもそれも考えようで、満室物件を買ってもいずれ必ず退居しますからそこでリフォームが発生しますし、新たな入居者も募集することになります。どうせいつかしなければいけないことで、先にやるか後でやるかの違いがあるだけです
 
先にやるだけで利回りが何%もよく、何百万円も安く買えるのであればそのほうがいいですよね。数十年スパンで取り組むビジネスですから、最初の数ヶ月空室があってもどうということはないという感覚でした。
 

2,買った途端に全空に

 
 編集部:なるほど。全空きや空室が多い物件には抵抗感がある方が多いのではないかと思いますが、客付けは順調に進みましたか?
 
清水さん:はい。思ったより埋めるのに時間がかかり厳しい物件もありましたが、その逆もあります。すべての物件がうまくいったわけではありませんが、概ね大丈夫でした。
 
 編集部:何か特に苦労された物件はありますか?
 
清水さん:はい。任意売却で2棟合計41戸、入居率50%のRCマンションを買ったのですが、買った直後にすべての入居者が退去してしまったことがありました。
それはある組合の物件でしたが、所有者が変わったら、組合の入居者は退去するという規定になっていたのです。僕だけがそれを知らなかったのです。このときは、「不動産って怖いな」と思いました。
 
その物件はその後大変でした。埋めるのも大変でしたが、リフォーム費用として当初は20戸分の1,500万円見込んでいたのですが、実際にはその倍の3,000万円かかりましたし、返済も持ち出しになりました。その時は蓄えがあったので対応できましたが、苦戦しました。自己資金ギリギリでやっていたら危なかったと思います。
 
編集部:そうなのですね。そういったことを事前に知るのは難しいのですか。
 
清水さん:そうですね。賃貸借契約書も見てはいたのですが、事前に知ることはできませんでした。本来は告知義務違反なので、裁判をやれば勝てたかもしれませんが、やっても回収できなかったでしょうね。資金がないから任意売却しているわけですから。
 
こういうことは任意売却ではなく、通常の取引でもありえます。法人の社員寮や学生寮として使われている物件はある時期にいっせいに退居するということがありますから、事前に確認することが重要です。
 

3,供給過剰エリア物件を満室に保つたった2つの方法

 
編集部:その後客付けの方はうまくいったのですか?
 
清水さん:はい。全空ということで、仲介店が気味悪がってなかなかうまく行かなかったのですが、最終的にはうまくいきました。
 
編集部:どのような方法で客付けされたのですか?
 
清水さん:はい。それ以前から仲介店さんとの関係を深めて客付けを促進する仕組みがありましたので、それを活用しました。
 
具体的にはふたつあって、ひとつは物件紹介用のホームページを使っています
『SUUMO』や『LIFLLE HOMES』に自分の物件だけが掲載されているもののようなイメージです。物件概要はもちろん、画像もたくさん使って極力物件を詳細に紹介するようになっています
 
このホームページを用意しておけば、仲介店さんに客付けを依頼するときに、FAXやマイソクなど紙ベースで物件情報を知らせるよりも効率よくできます
 
物件情報サイトのURLを連絡するだけで、仲介店さんは物件を確認できますし、そのデータを仲介店さんのホームページやポータルサイトに掲載しやすくなります。
また、ここがだいじなのですが、仲介店さんの営業スタッフ個人とやり取りしやすくなるということです
 
 もう一つは、顧客管理システムを導入し、仲介店さんの情報を詳細に把握することと、いつ、だれがだれとどんなやり取りをしたかの履歴を残すようにしたことです
 
仲介店さんにFAXや紙ベースで物件資料を置いてくるだけだと、人によって、Aさんは、自分の物件を知っていてよく案内してくれているけどBさんは自分の物件を知らないということがよく起こります。なので、各営業さん個人へ電話やメールで連絡するようにしました
 
編集部:なるほど。物件ホームページと顧客管理システムを導入して、仲介店さんとの関係を強化する仕事を仕組み化。そして物件紹介の機会を増やしていったということですね。法人営業の世界では普通に行われていますが、大家さんがそこまでするというのはなかなかないことのような気がしますが。
 
清水さん:そうですね。おそらくやっているひとは少ないですね。大家さんは仲介業者へ自分の物件紹介を依頼すれば、それだけでやってもらえると思っているひとが多いです。
 
新築物件や、立地が良い割安物件など競争力がある物件ならたしかに案内してもらいやすいと思います。しかし、僕の物件のように地方の田舎にある物件は、そういうわけには行きません。基本的に供給過多で、他物件との競合が激しいのです。そういった環境の中で仲介店さんに物件を覚えてもらって、紹介してもらわなければいけないのです
 
だから仲介店さんに一方的に客付けを依頼するだけでなく、しっかり関係を作って行くことがだいじなのです。人と人がやることですから、コミュニケーションを取ることがだいじです。
 
顧客管理システムと、物件ホームページがあれば、仲介店さんと効率よく密なコミュニケーションを取ることができるようになります
いま11棟220室の物件の管理を効率よくやれているのも、次々物件を増やしていくことができているのもこの仕組があるからこそです。
 
物件の場所が広範囲に広がっていますから、もちろんお付き合いしている仲介店さんも広範囲です。1つのエリアに仲介店が10〜30店くらいあり、それらの仲介店さんの営業スタッフ1,000名以上の方とお付き合いさせていただいていますが、毎週電話をしています
 
ひとりひとりと、いつどういったやり取りをしたか、すべて記録されています。あとで再度客付けを依頼するときに、コミュニケーションが取りやすくなるのです。もちろん、物件がきちんとした状態で、家賃設定も適正であることが前提ですが、この仕組があることで早く入居が決まるようになっています。
 
編集部:なるほど。多くの仲介店といい関係を作る。それを営業スタッフ個人単位でやる。そのために、顧客管理システムと物件ホームページを導入して、効率よくやるということですね。物件の集客は、「仲介店との協業」というスタンスを取ることがポイントかも知れませんね。実際にこういうことをしている大家さんは少数ではないかと思いますが、多くの大家さんはなぜやらないのでしょうか。
 
清水さん:僕の物件は、地方で競合が激しい場所ですから、こういうことをしないと勝っていけないのです。もちろん、こういうことをせずに済む、中心部の新築や築浅でピカピカの物件を持つに越したことはありません。いずれは物件を入れ替えして、名古屋の中心部などへ進出したいと思っていますが、今はこういう努力をしながら力をつけるタイミングだと思っています。
 

4,融資が引きにくい今こそはじめるチャンス

 
編集部:ありがとうございます。ところで少し話は変わりますが、これから不動産投資をはじめる方々がどのようにしていったら成功しやすいかという観点でお話しをお聞きしたいと思います。
 
2019年は、これまでと比較すると不動産投資を取り巻く環境が大きく変化したのではないかと思います。
 
もし清水さんがいまサラリーマンとして会社にお勤めで、勤続年数10年以上、年収700万円くらいで、自己資金500万円くらいあったとしましょう。そして、キャッシュフロー月50万円くらいを目指して不動産投資を始めようという場合、どういう戦略で不動産投資をしますか?
 
清水さん:そうですね。キャッシュフロー月50万円を何年後にやりたいのかにもよります。短期で考えるのか長期なのかですね。長期なら現金で買える物件でやろうとすると5年・10年というスパンでやれますが、短期的にやろうとすると、やはりある程度リスクを許容した上で、借り入れをしてレバレッジをかけるのがよいとおもいます。
 
編集部:なるほど。借り入れのことで少しお聞きしたいのですが、今は多くの金融機関はサラリーマンの不動産投資を引き締めているということを聞きます。つまり借りにくくなっているということだと思います。はじめて不動産投資をやろうというひとは、だいたい年収の何倍くらいを目安に借り入れ目標を立てるのが現実的でしょうか?
 
清水さん:たしかに厳しくなっていますが、借りられないことはありません。僕が、最初の物件を買ったのは、リーマンショック後の2010年でしたが、そのときも不動産投資は融資を引きにくくなっていました。いまは、その当時と状況が似ていると思います。
 
融資が締まっているということは、物件価格が下がってきますので、いわゆるお宝物件が出る可能性が高いのです。ですから、むしろこれからはじめる方にはチャンスだと思います。
 
いくら借りられるかは金融機関によって審査基準が違いますから、一概になんとも言えませんが、だいたい5,000万から1億円以内くらいの物件なら比較的ハードルは低いのではないでしょうか。それくらいの価格でRCの一棟ものを買えるといいスタートが切れるのではないかと思います
 
編集部:ありがとうございます。融資の審査基準にも地域差があるということをよく聞きます。清水さんが投資対象とされている東海エリアは首都圏や関西圏よりも融資を引くのが難しいということも聞いたことがありますが、実際はいかがですか?
 
清水さん:そうなんです。これはなぜかというと、東海エリアには、関東や関西のように、投資不動産融資の比率が高い金融機関が少ないのです。だから、「ここに行けば借りられる」という金融機関がないのです。ですから、案件ごとにプロパーローンで切り開いていくしかなないのです。僕の投資家仲間もみんなメインバンクが違います。
 
編集部:なるほど。そう言う意味では、東海圏より首都圏のほうが融資を受けやすいということになりますか?
 
清水さん:そうですね。ただ。首都圏は物件価格が高くて利回りが低いので、僕も含め東海エリアの投資家は関東では買っていない人が多いです。やはり首都圏と東海圏はまったく話のレベルが違いますね。もしやるとしたら、関東周辺部で5,000万円以内くらいで耐用年数が切れた物件を買って、高利回りで回していくという方法ですかね。……続きを読む


 

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