医師が不動産投資をはじめる前に知っておくべき3つのポイント

医師の方が投資をするなら不動産投資が向いています。その理由は、「節税できる」「時間がかからない」「好条件で融資に通りやすい」という3点です。
 
この3点は不動産投資で大きなメリットになるので、不動産投資を検討している医師の方は良く理解しておくことが重要です。今回は、この3つのポイントを詳しく解説していくので、その詳細を知り最大限にメリットを活かした投資をしましょう。
 
 
●節税ができる
 
1つ目のポイントは節税できるという点です。不動産投資における節税は以下2種類の税金になります。
 
・所得税の節税
・相続税の節税
 
 
○所得税の節税
 
所得税を節税する仕組みを知るためには以下を理解しておきましょう。
 
・総合課税の仕組み
・減価償却費用について
・減価償却費用を計上したときのシミュレーション
 
 
◎総合課税の仕組み
 
総合課税とは、ほかの所得と合算するという仕組みです。勤務医であれば病院からもらっている給与所得、開業医であれば事業所得と合算することが可能になります。
 
不動産所得の場合は総合課税が適用になりますが、株式投資などをはじめとしたほかの投資は、その投資だけに税金がかかる「分離課税」になります。
 
不動産投資は、次項で解説するように経費計上できる項目が多い上に、減価償却費用という高額な経費が計上できるので節税効果が高いのです。ただし、不動産所得がプラスのときは、そのプラス分は給与や事業所得と合算される点は認識しておきましょう。
 
 
◎経費計上できる項目
 
不動産投資で経費計上できる項目は以下の通りです。
 
・管理費や修繕積立金(区分マンション投資)
・共用部分の清掃や修繕費用(一棟投資)
・管理会社への委託費用
・入居者が退去時に支払う原状回復費用
・火災保険料や地震保険料
・固定資産税や都市計画税
・ローンの利息部分
・減価償却費
・税理士へ支払う報酬(確定申告を依頼したとき)
 
 
◎減価償却費用について
 
減価償却費用とは、物件取得費用を毎年経費として計上できる費用です。毎年経費として計上できるとはいえ、その年に実際支払っているわけではありません。つまり、「本来支払っていない支出も経費として計上できる」というわけです。
 
減価償却費用は「建物取得価格×償却率」で計算され、以下のように構造によって償却率は変わります。
 
・RC(鉄筋コンクリート造):償却率0.022(耐用年数47年)
・重量鉄骨:償却率0.030(耐用年数34年)
・木造:償却率0.046(耐用年数22年)
 
たとえば、8,000万円(建物価格6,300万円)の重量鉄骨造のマンションを取得すれば、毎年計上できる減価償却費用は189万円です。
 
 
◎減価償却費用を計上したときのシミュレーション
 
仮に、前項で例に出したマンションが以下のような物件だったとします。
 
・年間家賃収入450万円
・年間経費280万円
 
この場合、この物件の不動産所得は「家賃収入450万円-経費280万円-減価償却費用189万円=マイナス19万円」です。ただ、実際に手元から減価償却費用の189万円がなくなっているわけではありません。
 
そして、このマイナス19万円は、給与所得・事業所得から差し引くことができます。つまり、不動産所得自体にかかる税金がゼロになる上に、医師としての稼いだ所得から差し引くことができるというわけです。
 
仮に、不動産所得がマイナスにならなかったとしても、経費計上できる項目が多い上に減価償却費用があるので、不動産投資で発生する税金はほかの投資と比べて節税効果は高いです。
 
 
◎所得税の節税に関する注意点
 
注意点は、減価償却費用の計上期間です。計上できる期間は、以下のように耐用年数と築年数によって異なります。
 
築年数が法定耐用年数を経過している場合は「計上期間=法定耐用年数×0.2(端数切り捨て)」です。一方、築年数が耐用年数を超えていない場合は、「計上期間=(法定耐用年数-築年数)+築年数×0.2(端数切り捨て)」です。
 
収支シミュレーションする際は、減価償却費用の計上できる期間も加味してシミュレーションしましょう。また、築年数が浅いと計上期間が長くなるので、その点も踏まえた物件選びをおすすめします。
 
 
○相続税の節税
 
また、不動産投資は所得税以外に相続税の節税にもなります。というのも、現金ではなく不動産で資産を所有していると、相続税評価額が7割ほどまで下がるからです。
 
相続税評価額が下がればその分税率も下がりますし、結果的に税額も下がります。たとえば、株式だと時価で評価されるので、評価額が7割ほどまで下がるのは不動産投資独自の節税効果といえます。
 
 
●時間がかからない
 
2つ目のポイントは時間がかからないという点です。医師の方は日々多忙な生活を送っており、休みが不定期の方もいるでしょう。そのため、手間がかからないという点は大きなメリットです。
 
この不動産投資の「手間」については以下の点を理解しておきましょう。
 
・管理会社に委託できる範囲
・物件選定には時間がかかる
 
 
○管理会社に委託できる範囲
 
プランや委託範囲は選択できますが、一般的には管理会社には以下の業務を委託します。
 
・入居者の募集や契約
・入居者からの賃料徴収や滞納時の対応
・入居者からの問い合わせ対応
・共用部の清掃や点検(一棟投資)
・建物全体の修繕計画の策定(一棟投資)
 
さらに、管理委託費用は家賃の3~5%程度なので、安価な委託費用で物件運営を任せることができます。日々忙しい医師の方は、たとえば株式投資などをすると、日中に売買手続きをしなければいけません。
 
その点、管理会社に一任できる不動産投資は、忙しくても休みが不定期でも問題なく物件運営できます。
 
 
○物件選定には時間がかかる
 
ただ、注意点は物件運営に関する手間はかかりませんが、物件選定には時間がかかるという点です。物件を選定するときは、現地確認や収益計算などが必須であり、色々な物件を比較しないと収益性の高い物件の判断ができません。
 
そのため、「不動産投資=手間がかからない」というのは真実ですが、それは物件運営の話であり、物件選定には多少手間がかかる点は認識しておきましょう。
 
 
●好条件で融資を受けやすい
 
4つ目のポイントは、好条件で融資を受けやすいということです。その理由と、好条件で融資を受けられるメリットについて解説します。
 
 
○不動産投資ローンの融資条件とは?
 
不動産投資ローンの審査項目は以下の点です。
 
・年収や会社規模
・勤続年数や雇用形態
・借入者の年齢
・信用情報(過去の延滞履歴など)
・物件の担保価値と収益性
 
まずは、借入者の年収額や会社規模を見ます。要は、安定して継続的に収入があるかどうか?という点です。医師は、この点において金融機関からの評価が非常に高いので、好条件で融資を受けやすいのです。
 
ただし、不動産投資ローンの返済原資は物件からの家賃収入なので、物件の収益性も重視して審査される点は頭に入れておきましょう。
 
 
○好条件の融資とは?
 
好条件の融資とは、金利と借入期間が好条件ということです。つまり、金利が低く、借入期間も長期間で設定できるということです。仮に、5,000万円借り入れるときに、以下の金利の違いで支払い額がどのくらい変わるか比較してみましょう。
 
・金利3%で借入期間20年:総返済額66,551,625円、月々返済額277,298円
・金利2%で借入期間20年:総返済額60,705,899円、月々返済額252,941円
 
さらに、借入期間を最長35年まで選択できれば、総返済額と月々返済額のバランスを自分で調整できます。これは、不動産投資の収支に影響してくるので、好条件で融資を受けられる医師は不動産投資が有利になるのです。
 
 
●まとめ
 
このように、「節税効果が高い」「時間がかからない」「好条件で融資を受けやすい」という3つのポイントの内容をきちんと理解しておきましょう。詳細を理解することで、この3つのメリットを活かしやすくなります。

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