5.会社員が融資を受けやすい中古区分マンション
編集部:少し話が変わりますが、最近サラリーマンが金融機関から融資を受けてにくくなっていると言われていますが、どんな印象をお持ちですか?
ツカサさん:確かに融資が受けにくくなっていますが、まだ不動産投資を始めていない会社員が1件目を買うことができないほどの状況ではないと思います。
編集部:もしツカサさんがいま0ベースで不動産投資を始めるとしたらどんなやり方をされますか?
ツカサさん:ゼロベースでこれから始めるとしてもこれまでと同じように、中古区分マンションを買います。
編集部:最近築古戸建て投資から入る人が増えている印象ですが、それはいかがですか?
ツカサさん:私は築古戸建てはリスクが高いと考えています。中古区分であれば失敗しても大火傷しないので、今始めるとしても中古区分を買います。今後も当分の間区分を増やすつもりです。
6.物件購入のタイミングを逃さない方法
編集部:これまで不動産投資で失敗したことはありましたか?
ツカサさん:経験が浅い頃利回りや周辺環境築年数などを意識しすぎ物件を購入できない状態に陥りました。
そんな矢先、検討していた物件を他の方に契約されてしまったことがあります。かなり落胆しました。この失敗が糧になり、今は購入の判断はスピード感を持って行動するように心がけています。
編集部:スピード感を持って行動するために、物件の購入基準としている指標はありますか?
ツカサさん:管理費・修繕積立金の滞納が何割くらいあるのか、周辺家賃相場から見て高いのか安いのかの2つを見ています。経験上、この2つが基準に合っていて、管理会社がしっかりしていればOKと判断しています。
7.いい管理会社の見つけ方
編集部:管理会社の良さはどういう観点で判断していますか?
まず入居率を見ています。管理会社によって入居率のとり方が違います。年間で一番入居率が高い月1ヶ月だけの入居率を公表している会社もあれば、年間の推移を均して公表している会社もあります。2つを比較した場合、後者のほうがいい会社である可能性は高いと思います。外には、管理メニューと費用のバランスを見ています。
編集部:管理会社とトラブルになった経験はありますか?
ツカサさん:はいあります。入居者が夜逃げしたことがありました。警察立ち会いのもと部屋に入ってみたところ、もぬけの殻でした。
連帯保証人に滞納家賃の請求をしましたが、一括払いはできないということでしたので、分割で払ってもらいました。
夜逃げに至った原因を調べていくと、そもそも管理会社の入居審査が甘かったことがわかりました。管理の内容より費用のやすさを優先して管理会社を選んだことがよくなかったと思います。きちんと管理の内容を把握しておくことが重要です。
編集部:他に管理会社選びのポイントはありますか?
ツカサさん:あとは、サブリースを提案しない管理会社がいいと思っています。なぜなら、サブリースを提案するということは基本的に客付けに自信がないからだと私は思っています。
家主側はサブリースを提案されると、家賃収入が保証されるので安心感はありますが、客付けは家主が責任を持ってやることだと思っています。
8.人生を変えた不動産投資
編集部:不動産投資をやってよかったことはなんですか?
ツカサさん:さきほどと重複しますが、会社員である自分へ魅力を感じることができたことです。私自身、会社員として転職もせず勤続年数を重ねることに疑問を感じていましたが、属性という言葉に置き換えれば魅力的な側面があるということを感じられたことは大きな発見でした。
それから、不動産投資について相談できる相手ができたことです。まだまだ、日本では「お金儲け=悪」という意識は高く同僚へ話しにくい環境があるように思います。「大家の会」などに参加して社外でこういった知人ができたことは投資冥利に尽きると思っています。
編集部:不動産投資家としてどういった姿を目指していますか?
ツカサさん:私は、セミリタイアをしたいということは考えていません。人生100年時代と言われる中、社会と関わりながら豊かな人生過ごしていきたいと思います。
その為に、自分がやりたいコンサルの仕事を早く軌道に乗せたいと思っています。その手段として不動産収入で生活収入を賄える部分まで高めることを目指しています。
編集部:数値目標はありますか?
ツカサさん:8年以内にあと区分マンションを20件買い、キャッシュフローを月間100万円にすることです。
編集部:不動産投資をはじめて生活に変化はありますか?
ツカサさん:はい。不動産投資を始めてから、仕事に対する意識が変わりました。以前は仕事をすることそのものが目的でしたが、仕事は目標達成の手段という認識に変化しました。
すると無駄な時間を仕事に使いたくないと思うようになり、効率的に行動するようになりました。
編集部:ご家族は当初から不動産投資に協力的でしたか?
ツカサさん:最初は妻に反対されました。
ですから家庭では妻との時間を密にとることに力を注ぎました。何故ならば妻の理解なしには絶対に成立しないビジネスだからです。
本当にやりたいことであると、相手に理解してもらうために、ありとあらゆる努力をして妻の理解を得ようとしました。
説得ではだめです。やはり、共感してもらうことが大切です。
共感してもらうために、自分の不動産投資の計画をプレゼンしました。これは仕事と同じできちんと論理的に説明し、事業の可能性に納得感を持ってもらうことが大事です。
そのことがきっかけで、妻から数年後事業をしたいという相談を受けました。不動産投資を始めることで家族の将来設計へと話は進み、最終的に私は区分所有を10件達成するタイミングで会社員を卒業し、妻のコンビニ経営のアドバイザーとなることが決まりました。
そして、2019年4月会社員を卒業し今は妻の事業をサポートする一方で個人事業主の方へ経営コンサルタントとして第二の人生をスタートしています。
編集部:これから不動産投資をはじめる方へアドバイスをお願いいたします。
ツカサさん:きっかけは、人それぞれですが不動産投資は、不動産投資は毎月コツコツと借り入れを減らしながら長期間で資産を形成していくもので日本人には向いている投資のように思います。
時間とうまく付き合いながら、自分のペースで資産形成を進めていくという手法は実践することで理解が深まるのではないでしょうか。