不動産投資実践ストーリー

<不動産投資実践ストーリー #9> 元理系サラリーマン大家 溝口晴康さん

前編はこちら

6,不動産投資成功に必要な3つのこと


編集部:なるほど。不動産投資は自分でコントロールできる要素が多いので勝ちやすいということですね。溝口さんは不動産投資を実践するにあたり、重要なことはどんなことだと思われますか。
 
溝口さん:はい。不動産投資の知識、行動力、決断力の3つだと思います。知識、行動、決断のどれか1つでもゼロだと、他が優れていてもゼロになります。一番良くないのは、知識を詰め込んで、頭でっかちになって行動しないことです。知れば知るほど、小さなリスクがわかってきて、大局を見失って行動できなくなる人が多いようですが、行動しなければ何も得られません。
 
物件を数多く見る、仲介業者へ訪問し情報を仕入れる、不動産投資仲間とコミュニケーションを取り情報交換をするなど積極的にやることがだいじです。
不動産業界はクローズドな世界ですから、実際に会いに行くことは重要です。よくあっている人には好感を持つものです。接触頻度を上げるだけでいい物件に巡り会える確率が上がります
 
知識は基本的なことを身につけておけば大丈夫です。ジャンルを問わず不動産投資関連の書籍を10冊くらい読めば、基本的な知識は身につきます。あとは、不動産投資セミナーにいくつか参加する、大家の会で仲間を作り、情報交換をするということもいいと思います。
 
それと、恐れずに自分を信じて決断することです。知識を持って数多く行動すれば、決断のポイントと基準がわかってきます。100%勝てるということはありえませんので、自信を持って決断し、試行錯誤を繰り返しながら確度を上げて行くことがだいじです。
 

7,今から始めるならこうする!溝口流キャッシュフロー月50万円を目指す方法


編集部:ところで、いまは溝口さんが不動産投資をはじめた2008年ごろとは、不動産投資を取り巻く環境が大きく変化しています2019年は、サラリーマンが融資を受けにくくなっていると言われています。
そこでお伺いしたいのですが、たとえばいま溝口さんが、まだサラリーマンを続けていて、年収700万円くらいで、自己資金500万円くらいあると仮定します。そして不動産投資でキャッシュフロー1ヶ月50万円を得ることを目標とした場合、どういった投資法を実践されますか。
 
溝口さん:そうですね。数年前と比べると確かに融資のハードルは上がっています。数年前は物件価格の10%くらいの頭金で融資が受けられましたが、今は20%〜30%以上必要なことが多くなっています。とは言っても、私が不動産投資をはじめた2008年ごろも、一部の金融機関以外は、頭金が20%くらい必要でした。一時的に融資が受けやすくなったけど、また以前の水準に戻ったということだと思います。
 
キャッシュフロー50万円をいつまでに実現したいかによりますが、短期間でということになると、やはりレバレッジをかけないと難しいです。なので、年収の10倍程度の7,000万円の融資を受けることを目指して、プランニングします
 
まず一棟目は、中古の木造一棟アパートがいいかもしれません。7,000万円だと都内は利回りが低いものになりますので、エリアは東京周辺部か地方で利回り10%〜12%くらいの物件がいいと思います。
 
融資は金利2〜3%くらいの物を探します。フルローンはなかなか難しいと思いますが、修繕費込でリフォームローンが利用できないかなど、日本政策金融公庫などに打診してみます。
 
個人ではなく法人を作って購入すれば、創業融資を受けられる可能性もあるのでそういったことも検討してみます。
 
7,000万円の物件を取得できれば、月14万円〜17万円くらいの税引前キャッシュフローが得られます。そのキャッシュフローを貯めて、2年後くらいに買い増しをする。それを繰り返して月50万のキャッシュフローを達成するという感じだと思います。
 
融資は厳しいとは言え借りられているひとは借りられていますので、書籍などで勉強をして自分なりの戦略を立てることがだいじですね。
 
編集部:ありがとうございます。2棟目のことはどのように考えますか?
 
溝口さん:2棟目は、先のことですからそのときの経済状況、不動産投資を取り巻く環境がどう変わっているかわかりません。なので、まずは1棟目を成功させることを真剣に考えて、それに集中したほうがいいと思います。
 
編集部:なるほど。たしかにおっしゃるとおりですね。1棟目を成功させるために気をつけておきたいポイントはどういうところですか?
 
溝口さん:はい。不動産投資は立地が重要ですから、購入前にしっかり確認して立地がいいところを買うということですね。具体的には需給バランスを見ます。供給過多になっていないかを調べます。
 
それと、割安な物件を買うということですね。対象エリアで同じような条件の物件を比較して利回りが高い物件を選びます。そして利回りが高い理由を調べます。
 
そのときに大事なことは、現地に行って周辺の仲介業者にヒアリングするということですね。物件周辺の仲介業者はそのエリアの情報をたくさん持っていますから、供給過多になっていないか、その物件に関する情報や入居者が入りやすいかかどうかも知っている可能性が高いです。
 

8,借りられなければこうする


編集部:ありがとうございます。やはり現地に行って一次情報を得ることがだいじなのですね。
では、もし融資が受けられなかったらどういうプランがありますか?
 
溝口さん:そうですね。それなら自己資金を作るために別のことをやります。
少し難易度は上がりますが、本業の経験で運営できそうな中小企業を買って、そのビジネスで利益を得ることにチャレンジします
 
今は後継者がいなかったり、業績が下がって立て直しの方法がわからないなどの理由で、会社を売却したい中小企業の経営者が多いんです。
 
たとえば、町工場などの製造業、中小メーカー、老舗の食品製造業などが多いです。特に後継者問題はこれから増えていきそうな印象を持っています。
 
案件によって売却希望価格は様々ですが、500万円くらいで買える会社もたくさんあります。なので、もし本業の領域で独立を目指しているとか、不動産投資以外に、いずれやりたいビジネスがあるという方なら、会社を買ってそちらのビジネスを拡大させて財務体制を整えてから不動産投資に参入するというのもいいかもしれません
 
社会貢献にもなりますし、実態があるビジネスをやるわけですかから、ビジネスマンとしての能力を磨くことにもなります。不動産投資も不動産賃貸業というビジネスですから、他のビジネスで培ったスキルが活かせます。
 
現金で買える地方の築古戸建てを買って、1年毎に買い増ししていく方法もありますが、それはやらないですね。
 

9,いま目指している世界観

編集部:なるほど。一度別のビジネスをやってそれから参入するということですね。副業ではなく本業として取り組みたい方にとっては、そういう選択肢もありますね。溝口さんはなぜM&溝口さんの領域へ参入しようと思われたのですか。
 
溝口さん:冒頭にもお話したように、私はサラリーマン時代、会社でモヤモヤとした気持ちを抱えたまま時間の切り売りをしていました。
 
世界観としては、いま私と同じような思いをしている人たちに、会社の外でやりたいことを実現する手段の一つとして、中小企業のM&溝口さん仲介で会社を買う機会を提供したいというのが理由です。
 
株式会社アントレッフェンという会社を作って、不動産コンサルティングや起業支援を行っていましたが、もう一社少額特化型M&A仲介業である株式会社REMAPを知人と設立したので、そちらに注力していきます。
 

10,判断を誤らないための心構え

 
編集部:ありがとうございます。最後に、これから不動産投資をはじめる方にアドバイスをお願いします。
 
溝口さん:不動産投資は100%勝てるものではないということを肝に銘じて、余裕を持ってやってもらいたいと思います。最悪頭金となる自己資金は、「全て失ってもいい」くらいの気持ちの余裕があったほうがいいと思います。余裕がないとどうしても焦りますから、現状を正しく判断できなくなりますし、正しい判断ができなくなります。気持ちの余裕を持って取り組んでください。
 
溝口晴康さんのお話から感じたことは、卓越した予測力と戦略構築力、実行力、マインドすべてのバランスが絶妙だということです。溝口さんはご自身の著書の中で、経営には「虫の目」「鳥の目」「魚の目」の3つの目が必要だと言うことをおっしゃっています。
「虫の目」は細部までしっかり見ることができるミクロの目。現場で何が起きているのかをしっかり把握するということです。
「鳥の目」は事業を俯瞰してみる目。客観的に見て不動産事業が他の事業からみてどんな位置づけにあるのかを判断するということです。
「魚の眼」は魚が水の流れを読みながら泳いでいるように、世の中の流れやトレンドを読む目。時流を読んで、買い時、売り時などを判断するということです。
その3つの目から情報を捉え、的確な判断のもと実践してきたからこそ今の成功があるのではないかと思います。
 
2019年4月インタビュー実施
 

溝口晴康

茨城県古河市出身、東北大学 大学院 工学研究科卒、1976年生まれ。
現在はMBAを取得するため、グロービズ経営大学院に通学する傍ら、自ら代表を務めるM&A関連の会社を仲間と設立するなど、働き方を事業家へとアップデート中。
 
溝口晴康さんの著書
理系サラリーマン大家が伝授する 不動産投資で不労所得1000万円を得る方法
 
不動産投資家を中心としたビジネスコミュニティ
 
株式会社アントレッフェン
 
株式会社REMAP

 

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