公務員が不動産投資をはじめる前に知っておくべき3つのポイント

不動産投資に向いている職業は色々とありますが、その中でも「公務員」がピックアップされるケースは多いです。ただし、公務員は副業が原則禁止されているので不動産投資はそもそも禁止では?と思っている人もいるでしょう。
 
結論からいうと、公務員でも不動産投資することは可能です。今回は、公務員が不動産投資を行う際に知っておくべき3つのポイント、および公務員が不動産投資に向いている理由について詳しく解説していきます。
 
 
●原則副業禁止の公務員も不動産投資はできる
 
冒頭のように、「副業禁止」という原則がある公務員でも不動産投資は可能です。ただし、その場合は以下3つのポイントを理解しておきましょう。
 
・一定の条件の範囲内なら不動産投資は副業にあたらない
・副業にあたらないための3つの条件
・副業に当たる場合の注意点
 
 
○一定の条件の範囲内なら不動産投資は副業にあたらない
 
そもそも、公務員が副業禁止となっているのは、以下のように国家公務員法と地方公務員法によって定められているからです。
 
・営利目的で私企業の業務を兼ねてはいけない
・上記について自ら営んではならない
・内閣総理大臣及び所轄庁の長の許可がない限り兼業禁止
 
つまり、利益をあげることを目的として、民間企業で副業することも禁止ですし、自ら起業して利益をあげることも禁止ということです。また、上記に当てはまらないとしても、公務員と業務を兼業するには許可が必要になります。
 
公務員が副業禁止の理由は、国に仕えている立場として副業をすると、本業に支障が出る可能性があるからです。公務員の本業に支障を来せば、日本国民に迷惑がかかることになります。しかし、一定の条件の範囲内であれば不動産投資をすることは可能です。
 
 
○副業にあたらないための3つの条件
 
公務員が不動産投資をしても副業に当たらないための条件は以下3つです
 
・一定規模内で行う
・管理業務は管理会社に依頼する
・賃料収入500万円未満
 
このように、一定規模内、かつ管理業務を委託することで公務員も不動産投資が可能になります。
◎一定規模内で行う
 
公務員の不動産投資は、一定規模内で行えば副業とはみなされません。具体的には、5棟10室以下です。
この規模を超えた時点で「事業規模」と見なされるため、それは不動産経営という扱いになります。
つまり、不動産業として自ら経営しているという扱いになるため、上述した国家公務員法の「営利目的で自ら営んではならない」に該当してしまいます。これは、会社員でいう就業規則に該当する「人事院規則」で決まっていることです。
この規模を超える場合には許可を受ける必要がありますので人事課の担当者に確認しましょう。
 
◎管理業務は管理会社に依頼する
 
不動産投資には以下の業務があり、これらは管理会社に委託することが可能です。
 
・入居者の募集や契約
・入居者の賃料徴収や滞納時の催促
・入居者からの問い合わせ対応
・退去時の立ち合いと修繕手配
・共用部の清掃(一棟投資)
・共用部の点検や管理全般(一棟投資)
・共用部の修繕計画策定(一棟投資)
 
これらは管理会社に委託するケースが多いですが、自主管理することで管理委託手数料を減額することが可能です。ただし、自主管理にすると手間がかかるので本業に支障を来しかねません。
 
そのため、管理業務を管理会社に一任することで手間を省き、本業に問題ない状態にすれば不動産投資も問題ないというわけです。
 
 
◎賃料収入500万円未満
 
また公務員の不動産投資は家賃収入の総額が500万円未満という条件もあります。この規模を超えた時点で「事業規模」と見なされるため、それは不動産経営という扱いになります。都心のワンルームマンション1室であれば、家賃相場は7~8万円です。年間100万円に満たない金額なので、1戸ずつ買い増ししていくというのも一つの方法です。
また、「賃貸収入500万円未満」については、アパート経営やマンションの区分投資以外に、駐車場経営も該当するので気を付けましょう。
 
不動産投資は規模を拡大していき、どんどん収益を高めていくことも魅力の一つです。そのため、公務員の方が不動産投資をするときは、この事業規模に該当しないか?という点を意識して物件選定をしましょう。
 
 
○副業に当たる場合の注意点
 
上記の規模未満であれば、そもそも副業に該当しないので許可は不要ですが、上記の規模以上の場合は許可が必要です。その場合、自営兼業承認申請書(不動産等賃貸関係)という書類に、以下の必要資料を添付して任命権者に許可申請します。
 
・ 不動産登記簿の謄本や図面など不動産の状況を明らかにする書面
・賃貸契約書の写しなど賃貸料収入額を明らかにする書面
・不動産管理会社に管理業務を委託する契約書の写し
・職員の人事記録の写し
 
詳細は「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)」を確認しましょう。また、地方公務員の場合は、従事する行政によって独自に規則が定められている場合があるので、個別に確認が必要です。
 
 
●公務員こそ不動産投資
 
冒頭で解説したように、公務員と不動産投資の相性は良いですが、その理由である以下2点について解説します。
 
・融資を受けやすい
・時間がかからない
 
 
○融資を受けやすい
 
まず、公務員は不動産投資ローンの融資を受けやすいです。不動産投資において融資は非常に重要な要素であり、その融資が受けやすい点は大きなメリットになります。
 
 
◎融資を受けやすい理由
 
そもそも公務員が融資を受けやすい理由は「収入の安定性」にあります。公務員は、数ある職業の中でも最も安定性の高い職業といえ、金融機関は借入者の「収入の安定性」を非常に重要視します。
 
金融機関からすると、借入者が返済不能に陥ることが最も避けたいことであり、返済不能になるリスクへの対策は、借入者の収入をきちんと審査することです。
 
さらに、その収入が継続的に続くか?も重要であるため、収入が安定している公務員は融資審査に通りやすいというわけです。ただ、不動産投資ローンの場合は「物件の担保価値・収益性」も重視する点は覚えておきましょう。
 
 
◎融資を受けることでレバレッジ効果が高くなる
 
では、不動産投資で融資を受けることのメリットは何か?というと、レバレッジ効果が高くなることです。レバレッジ効果を簡単に解説すると、「少ない資金で大きなリターン(収益)が期待できる効果」になります。
 
融資を受けることで、頭金の10倍程度の不動産を購入することも可能であり、これはほかの投資と比べても非常にレバレッジ効果が高いといえます。高額な資産を保有するほど、同じ利回りでの収益が高くなるので、レバレッジ効果が高いと収益も高くなりやすいです。
 
ただ、借入額が高額になるほどローン返済額も高額になるので、総返済額と月々返済額はきちんとチェックした上で、無理のない返済計画を立てましょう。
 
 
○時間がかからない
 
また、不動産投資の場合は上述のように管理全般は管理会社へ委託することができます。公務員の方は平日日中は働いているので、たとえば平日日中しか取引できない株式投資やFXは時間的に厳しいです。
 
一方、不動産投資は物件運営を管理会社に委託できるので、その点において時間がかからない投資といえます。ただし、物件運営に時間はかかりませんが、物件選定には多少の時間がかかる点は認識しておきましょう。
 
 
●まとめ
 
このように、公務員は管理会社に不動産運営を一任し、事業規模を守ることで不動産投資は副業に該当しません。また、事業規模が規定を超えた場合でも、許可申請することで不動産投資が可能な場合もあります。
 
公務員は上述のように融資において有利な面があるので、不動産投資との相性は良いといえるでしょう。そのため、今回解説したポイントを理解して物件選定を行うことで、そのメリットを最大限活かした不動産投資になるでしょう。

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