物件情報を取得する方法

不動産投資において最も重要なことは「物件選定」といえるでしょう。ただ、収益性の高い物件選定するためには、そもそも優良物件の情報を取得する必要があります。そこで今回は、「物件情報を取得する方法」をテーマに、物件探しの基本から具体的な物件取得方法を解説します。
 
 
●物件探しの基本
 
物件探しの基本として以下を理解しておきましょう。
 
・特別な方法はない
・裏技もない
・いかに数多く見るかがキモ
・システマティックに集める
・選定基準を持つ
 
 
○特別な方法はない
 
大前提として、物件情報を取得するのに特別な方法はありません。いわゆる「掘り出し物」の情報を得たいのが全ての投資家の本心であり、特別な情報ルートを求める人もいます。
 
しかし、結局は地道に愚直に情報収集するしかなく、特別な方法を探すくらいであれば、1つでも多くの物件をチェックする時間に充てた方が良いでしょう。
 
 
○裏技もない
 
また、物件情報を取得する方法に裏技もありません。成功している不動産投資家や、プロの不動産業者であれば、何か裏技を駆使して情報を得ているのでは?と思う人もいるかもしれません。
 
確かに、既に何件も物件運営に成功している人は、始めて物件収集する人より有益な情報を得やすいかもしれません。しかし、それは愚直に物件情報を集め、仲介業者などと関係性を深めることができたからです。
 
つまり、地道に物件情報を集めた結果であって、何も裏技を使ったわけではありません。
 
 
○いかに数多く見るかがキモ
 
物件情報を取得するときは、いかに数多くの物件を見るかがキモです。というのも、物件情報を見れば見るほど以下の点が頭に入ってくるからです。
 
・エリアの相場価格
・エリアの相場利回り
・長い期間売却している物件はどれか?
 
何となくでも相場観を養えれば、物件選定時に役立ちます。また、長い期間売却している物件は、いわゆる売れ残り物件です。そのような物件はいざ購入するときに値交渉しやすいですし、そのような物件を研究することで「人気のない」理由を探ることができます。
 
 
○システマティックに集める
 
物件情報を取得するときはシステマティックに集めましょう。要は、自分の中でどの情報源から情報を取得するか決めておくということです。もちろん、最初は大量の情報を集めなければいけません。
 
大量の情報を集めることで、気に入ったサイトや業者などが絞られてきます。そうなれば、チェックすべきサイトや媒体をシステマティックに確認するだけなので、小さい労力で効率的に情報収集できます。
 
 
○選定基準を持つ
 
これも大量の情報を集める前提ですが、以下のような選定基準を持って物件をチェックしましょう。
 
・利回りは何%以上を望むか?
・物件種類はどうするか?
・どのエリアで探すか?
・広さや駅距離などの希望は?
 
最初は幅広く基準を持って良いです。ただ、少しずつ絞り込んでいくうちに、自分が希望する物件を中心にチェックすることができます。それが、効率の良い物件情報の取得につながります。
 
 
●代表的な方法と特長
 
次に、物件情報を取得する代表的な方法と特徴を解説します。
 
・仲介業者から取得
・不動産ポータルサイトから取得
・国税庁のオークション
・地方公共団体のサイト
・競売物件
・不動産コンサルから取得
・投資家仲間からの紹介
・弁護士から任売物件物件情報を得る
・友人、知人からの紹介
 
 
○仲介業者から取得
 
最も代表的な手法は仲介業者から取得する方法です。次項で解説するポータルサイト経由で問い合わせる方法や、ホームページなどから直接問い合わせる方法があります。
 
特徴としては、自分の本気度が伝われば、より優良な物件情報を得ることができる点です。仲介業者からすると、購入してくれる可能性が高い人に物件を紹介したいです。
 
そのため、紹介された物件が気に入らなかったとしても、検討から外れる理由を添えて丁寧に返答しましょう。そうすれば自分の本気度が伝わり、関係性がどんどん深まっていきます。
 
 
○不動産ポータルサイトから取得
 
次に、SUUMOやHOME’Sから物件情報を取得する方法です。ポータルサイトは随時物件情報が更新され、物件数も豊富です。そのため、初期の頃は毎日大量の情報をチェックし、相場観などを頭にいれましょう。
 
そして、興味のある物件があったときに問い合わせて、仲介業者と個別にやり取りをするという流れです。
 
 
○国税庁のオークション
 
国税庁のオークションはヤフオクなどを利用して、以下2種類の物件を取得できます。
 
・税金滞納者からの差し押さえ品を売却する「公売(インターネット公売)」
・各行政機関が所有している財産を売却する「公有財産の売却」
 
前者は、後述する競売物件と同じです。後者は、各行政機関が所有する財産を売却するので、行政ごとに事前申し込みなどが必要です。ただ、通常の物件とは異なる物件なのであまり一般的ではありません。そのため、そこまで時間割いてチェックする必要はないでしょう。
 
 
○地方公共団体のサイト
 
地方公共団体サイトとは、国や地方公共団体などが保有する不動産(PRE)を扱うサイトです。国土交通省のサイトで、各都道府県のPER情報が随時更新されています。PERも前項と同じく、あまり一般的ではないので優先順位は低いです。
 
 
○競売物件
 
競売物件は、主にローン滞納者の家が対象で、返済不能になったことで強制的に売却されているケースが多いです。競売サイトは「不動産競売物件情報サイト」で確認することができるので、検索方法は簡単です。
 
しかし、競売物件は以下の理由で一般的ではないといえます。
 
・内覧できない
・瑕疵担保責任がない
・占有者がいるなどリスクがある
 
競売物件は安価な物件も多いですが、上記のようなリスクが大きいので取得は避けた方が良いでしょう。
 
 
○不動産コンサルから取得
 
不動産コンサルティング会社は以下のことをしてくれます。
 
・物件の収益性調査
・売買の提案
・バージョンアップの提案
 
つまり、不動産コンサルティング会社は、物件紹介から運営まで一貫してコンサルティングしてくれるので、その会社から情報を得ることも可能です。ただ、場合によってはコンサル量が別途発生するので、物件取得費用が高くなることがあります。
 
 
○投資家仲間からの紹介
 
たとえば、大家コミュニティサイトやセミナーなどで知り合った仲間がいれば、その投資家仲間から紹介してもらえることがあります。その投資家の実績や関係性にもよりますが、実績があり信頼できる人であれば、掘り出し物件を紹介してもらえるかもしれません。
 
しかし、いくら信頼できる仲間だとしても投資は自己責任なので、必ず自分の目で検証するようにしましょう。
 
 
○弁護士から任売物件物件情報を得る
 
任意物件とは、売却益で残債は返済できないものの、完済できなくても売却することを金融機関と合意した物件です。一般的な流れは、ローンを滞納したものの、競売になる前に金融機関との話し合いが終わったケースです。
 
このような物件は、弁護士や任意売却の情報を扱っているサイトなどで入手可能になります。任意売却物件は売主のプライバシー保護のため、通常のサイトなどには出回っていない物件もあります。
 
 
○友人、知人からの紹介
 
最後に友人・知人からの紹介です。多い事例ではありませんが、特に不動産関係の友人・知人がいれば有益な情報を得られるかもしれません。ただ、上述したようにあくまで自己責任であることは念頭に置いておきましょう。
 
 
●まとめ
 
不動産投資の物件情報は、地道に愚直に…がポイントです。まずは「心構え」としてその点を認識しておきましょう。その上で、上述した方法で物件情報を大量に入手し、少しずつ絞り込んでいくという流れです。

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