〈不動産投資家実践ストーリー Vol.17
心理学博士・ママ大家 岩崎えりさん〉
今回の不動産投資家実践ストーリーは、心理学の博士号を持つママ大家、岩崎えりさんです。岩崎さんは、年収230万円の非常勤研究員のときに不動産投資に参入。たった5年で総資産2億円、家賃収入2,500万円、税引前キャッシュフロー1,000万円まで拡大。今後は出身地である長崎で空き家を活かした民泊や、心理学研究員時代にやりたかった保育園事業、子ども向けにお金や投資の勉強ができるスクールを開くというビジョンをお持ちです。
そんな岩崎さんも最初から順風満帆に進んだわけではなく、多くの壁を乗り越えてこられました。特に大きかったことは、不動産投資に否定的なご主人からの反対だったそうです。その主人を4ヶ月かけて説得し、協力を得て不動産投資を成功させました。岩崎さんはどのようにご主人を説得し、協力してもらうことができたのか、心理学の専門家ならではのエピソードを惜しみ無く語っていただきました。
1,高学歴ワーキングプアのリアル
編集部:岩崎さん、今日はよろしくおねがいします。まず不動産投資のご経歴と今お持ちの物件数、実績についてお聞きかせいただけますか?
岩崎さん:はい。2014年に茨城県に最初の物件を購入し、今は大阪と長崎にアパート4棟63室と戸建て1戸を持っています。家賃収入は約2,500万円、キャッシュフローは約1,000万円です。
編集部:ありがとうございます。不動産投資に参入されたきっかけはどんなことでしたか?
岩崎さん:はい。本気で「大家になりたい」と思ったのは2013年です。ちょうど結婚したタイミングでした。当時は、母校の大学で、非常勤で子どもの発達を専門とする心理学の研究をしていました。
心理学の分野では、多くの人が何年かスクールカウンセラーなどの仕事をしながら研究をして論文を発表し実績を作り大学で常勤を目指します。その期間は何年も本当にひもじい生活をしています。
わたしは大学で心理学を学んで、在学中に心理学博士号を取りましたが、それでもなかなか常勤の仕事を得ることは難しくて、高校や専門学校の講師を掛け持ちして、やっと年収万円だったのです。いわゆる「高学歴ワーキングプア」でした。
当然病気で休めば収入が減りますし、産休や育休もありません。歳で結婚したので出来るだけ早く子どもを産みたかったのですが、この状況で子どもを産んで生活が成り立つのかとか考える不安になったのです。それで、以前から勉強をしていた不動産投資を本格的に勉強することにしました。
2,不動産投資でいまの年収分を得る決意
編集部:なるほど。大学の研究員というと、安定しているようなイメージを持っていましたが、現実はなかなか険しい道なのですね。安定した収入を得る方法の中でも不動産投資を選択したのはなぜですか?
岩崎さん:はい。ひとつは、わたしの祖母が地元長崎でアパート経営をしていたのですが、その姿を見て育ったことです。木造2階建てのアパートですが、かなりの田舎で競合もなく順調に回っていたようでした。お給料とは別に毎月家賃収入が入っている状況を見て、魅力を感じていたのです。
もうひとつは、結婚する少し前からわたしの母や、仲がいい友人夫妻が不動産投資をはじめて安定収入を得ている話を聞いて関心を持っていたからです。
編集部:ありがとうございます。不動産投資をはじめるにあたりどんな勉強をされましたか?
岩崎さん:最初は不動産投資関連の書籍を読む程度でした。たとえば、石原博光さんの『まずはアパート一棟、買いなさい!資金300万円から家賃年収1000万円を生み出す極意』という本を読みました。
不動産投資は自己資金がたくさんある人や、多額の借り入れをしないとできないものだと思っていましたが、この本を読んで、300万円でアパートが買えることもある事実を知り、衝撃を受けました。
当時は婚約中で結婚資金を貯めていて、ある程度のお金はありましたので、結婚して子どもを産むまでに「不動産投資で今のわたしの年収分のキャッシュフローを得る仕組みを作る!」と決意しました。
とは言っても本だけではわからないことが多かったので、その後不動産投資のコミュニティに参加しました。そこではすでに不動産投資をしている方のお話を聞いて、臨場感ある不動産業者や銀行とのやりとりを知ることができました。そして、不動産投資をはじめてからどう変わっていったというイメージが掴めるようになりました。
3,目標は1年以内に月50万円
編集部:ありがとうございます。やはり本を読むだけでなく実際に不動産投資をしている先輩大家さんから話を聞いて学ぶことが大事なのですね。不動産投資で当時の年収分のキャッシュフローを得るためにどんな計画を立てたのですか?
岩崎さん:はい。目標としては少し背伸びして、1年以内に月のキャッシュフロー50万円を目指しました。それができたら仕事を辞めて子どもを産み、その後はゆっくり物件を吟味して徐々に増やしていくという計画を立てました。
編集部:月のキャッシュフロー50万円というと、総資産額3億円くらい必要かとおもいますが、具体的にどういう手法をとったのでしょうか?
岩崎さん:はい。最初は自分ひとりで物件を買おうとしていました。年収230万円で自己資金は主人と2人で貯めた500万円だったにもかかわらず、全国の政令指定都市で駅近の中古RCを探していたのです。勉強して知識はありましたので、一棟目は資産価値が下がりにくくて融資が付きやすいRC造でなければならないと思い込んでいたからです。
不動産業者さんをだいぶ回りましたが、自分の属性と物件が見合っておらず「ご主人もつれてきてください」と言われて相手にしてもらえませんでした。やはりわたしの目標を実現するには、主人の協力が欠かせないことがわかりました。
4,保守的なご主人の理解が得られない
編集部:なるほど。それでご主人と一緒に行かれたのですか?
岩崎さん:いいえ。主人はわたしが不動産投資をすることに反対していました。「不動産投資」にいいイメージを持っていなかったようです。「堅実ではない」というイメージだったのかもしれません。
「不動産投資」というと、多額の借り入れをするイメージもあったのかもしれません。主人は借金も嫌いで、クレジットカードすら作らなかったくらいです。
それに、ちょっと前までわたしが、「大学の先生になる!」と言っていたのに突然不動産投資をはじめると言い出したことに戸惑っていたようです。それに主人は、単にわたしが優雅な暮らしをするために不動産投資をしたいと思っているようにも見えました。さらには、「今の自分に不満を感じて離れていくのではないか?」という不安まで抱いているようにも感じました。
編集部:なるほど。「不動産投資」を含め、投資には堅実ではないというイメージを持っている人もいることは事実ですね。夫婦どちらかが不動産投資をやりたいけど奥さんやご主人が反対しているというケースは多いように思いますがいかがですか?
岩崎さん:はい。たしかに多いです。どちらかというと、うちとは逆にご主人が奥さんに反対されているケースが多いです。
編集部:そうですか。多くの場合、ご主人や奥さんに納得してもらわないと先に進めないと思いますので、そういう方々のために、どのようにご主人を説得されたのかおきかせいただけますか?
5,説得Step1「相手の心境やタイプを知る」
岩崎さん:はい。4ヶ月くらいかけて段階を踏んで説得しました。最初は、「相手の心境やタイプを知る」ことからはじめました。それによってアプローチの仕方が変わるからです。
主人の場合は、不動産投資に否定的なタイプだと思っていたのでそれを確かめるためにテレビで不動産投資のが流れたときにさりげなく「不動産投資ってどうなんだろうね?」と聞いてみました。するとはやはり否定的な反応でした。
理系で論理的な説明なら納得するタイプです。お金に関しては保守的で、借金はしたくないし、クレジットカードも使いたくないという考え方です。
日々の行動が全部論理的でないと嫌なタイプなので、わたしの考えをできるだけ論理的に説明するように準備しました。
編集部:なるほど。相手の思考タイプに合わせた伝え方をするわけですね。そういったことは心理学の理論を実践しているのですか?
岩崎さん:あまり意識したことはないのですが、無意識に使っているかもしれませんね。カウンセリングのテクニックがしみついているのかもしれません。
6,説得Step2「ビジョンを語る」
編集部:なるほど。そしてご主人とどういったお話しをされましたか?
岩崎さん:はい。主人とはお金のことについて話したことがなかったので、まずお金についてどう考えているかを話し合いました。すると、主人は実はお金が好きだということがわかりました。
それと、昔パチンコにハマって負け続けたことがあってそれがトラウマになっていることがわかりました(笑)
そういうことを知った上で、まず「こういう家族を作りたい」というビジョンを語りました。特に子育てについては「子どもが産まれたら3歳まではなるべく自分の手で育てたい」「ゆったりと子どもの生活リズムに合わせてのびのびと思う存分やれることをやる時間を持ちたい」「子どもにいろいろな文化や世界情勢を肌で感じさせ、グローバルな視野を持てるように育ってほしいから、海外旅行にも連れていきたい」「子どもが興味を持ったことはできる限りやらせてあげたい」「だから最低限今のわたしの収入分は、わたしが子育てをしながらでも自動的に入ってくる仕組みを作りたい」ということを伝えました。
7,説得Step3「収支シミュレーションを提示」
編集部:なるほど。まずはどういう家庭を作りたいかを語って同意を得て、共通の目標を持つということですね。するとお金の稼ぎ方、つまり仕事は手段であってそれ自体が目的ではなくなる。だから不動産投資という選択肢を提案しやすくなるということかもしれませんね。それからどういうお話しをされましたか?
岩崎さん:はい。その後に不動産会社に作ってもらった簡易的な収支シミュレーションを見せて、初期投資額、家賃収入、銀行への返済額、運営管理費、固定資産税を差し引くとキャッシュフローがいくら残るかを丁寧に説明しました。……続きを読む
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