不動産投資実践ストーリー

<不動産投資家実践ストーリー 
vol.19 宇都木健さん>


今回の不動産投資家実践ストーリーは、静岡県内に7棟59室の物件を所有し、家賃収入4,000万円という実績をお持ちの専業大家、宇都木健さんです。宇都木さんは会社員として勤務しながら資産管理会社を設立し、1棟アパートを購入。さらに同じ年にアパートを4棟同時購入し、わずか1年で家賃収入2,000万円、キャッシュフロー1,000万円まで拡大し、セミリタイアを実現。その高速投資手法が話題を呼び、不動産投資家を育成する講師として活躍しています。宇都木さんの投資手法は、マクドナルド勤務時代、当時社長だった藤田田さんのもとで学んだ「ユダヤ式商法」がベースにあるそうです。「ユダヤ式商法」とは、利害関係者との信頼関係を構築し、あらゆる可能性数値を比較して、交渉しながら最大に良い条件で取引すること。今回は、不動産投資物件への融資引き締めなど、不動産投資を取り巻く環境が変化した今、ゼロベースで不動産投資を始める方に参考になるお話をお聞きしました。
 

1,「ユダヤ式経営」で高速拡大


編集部:宇都木さん、今日はよろしくおねがいします。早速ですが、簡単にご経歴と不動産投資の実績を教えていただけますでしょうか。
 
宇都木さん:はい。私は大学卒業後、日本マクドナルドへ入社し、神奈川や三重、福井県、岐阜県の店舗でマネージャーとして勤務していました。

不動産投資を始めたのは、2013年です。サラリーマンをしながら株式会社を設立し、2014年に一棟目のアパートを購入しました。

その後1年の間にアパートを4棟購入し、家賃収入2,000万円まで拡大し、その後順次物件を増やしました。現在は、7棟59室、家賃収入4,000万円まで拡大しています。



編集部:ありがとうございます。すごいスピード感ですね。
ところで宇都木さんの著書「ユダヤ式」不動産投資術を読ませていただきました。マクドナルトにお勤めの時に当時の社長、藤田田さんが提唱されていた「ユダヤ式経営」を学ばれたと書かれていました。「ユダヤ式経営」というのは、ひとことで言うとどういう経営ですか?

宇都木さん:はい。「ユダヤ式経営」というのは、「条件付き数値の最大化」と、あらゆる可能性数値を比較して、交渉しつつ最大によい条件で取引することです。

その根本にあるのは、利害関係者との信頼関係です。ユダヤ人は信頼を重んじる文化で、取引関係者との信頼関係の構築ということが土台になっています。藤田田さんは、当時藤田商店という洋食器の輸入販売会社も経営していました。ユダヤ系の人たちと取引をしていたのだそうです。

マクドナルドの創業者であるレイ・クロックさんもユダヤ系の人です。そのときに、ユダヤ人との取引を通じて信頼関係を構築する方法を編み出していったそうです。

例えば、通常輸入品の物流は船便を使うのですが、納期が間に合わなそうな場合はコスト高になっても航空便を使って納期に間に合わせるということをしていたそうです。そういった努力で「約束を守る男」という評価を勝ち取り、信頼を構築していったのだそうです。

「ユダヤ人に受け継がれている成功のルール」というのがあって、わたしがマクドナルドに勤めている時に藤田田さんのエピソードを交え「ユダヤ式経営」を学びました。それを自分の賃貸経営に活かしています。
 

2,ユダヤ人に受け継がれている成功のルールとは?


編集部:「ユダヤ人に受け継がれている成功のルール」とはどういうものですか?
 
宇都木さん:はい。4つあります。ひとつは「話すな、聞け」賢い人は質問をして、愚かな人は自分の話だけをする。成功したいなら自分が話す2倍は人の話を聞け。
 
2つ目は、「見るな、観察せよ」人を見た目で判断するな。その人の考えや知恵を見極めよ。
 
3つ目は、「明日やる仕事を今日やり、今日食べるものを明日食べる」楽しいことは後回しにして、今やれることを精一杯やれ。
 
4つ目は「金は道具であり、記号である」道具に支配されるものはいない。記号を組み合わせて、道具はたくさん持ったほうがいい。お金を持つことで、お金の支配から自由になれる。
 
というものだそうです。
 
ユダヤ人は歴史的に財産を奪われ迫害されてきました。それでも復活できてきた理由は、こういった成功のルールを伝える教育です。私は、教育で知識をつけることこそ最大の武器であるということを感じました。
 
編集部:そうなのですね。そういった教えを賃貸経営にどのように活かしましたか?
 
宇都木さん不動産投資にとって知識は武器になります不動産賃貸業を始めるにあたり、最低限の知識を得るために、最低でも100時間は必要と考えています。私自身もサラリーマンとして働きながら、不動産賃貸業だけでなく、基本的な税金やファイナンスの知識も学びました。
 
一定の勉強をしたら、行動を起こしますが、わたしの場合はまずセミナーに参加しました。様々なセミナーを受講しましたが、無料のセミナーは、ほぼ不動産業者が物件販売目的で実施しているセミナーです。こういったセミナーが良くないというわけではありませんが、最初は体系的に不動産投資を学べる有料セミナーに参加したほうがいいと思います
 
私は、当初「無料個別相談」のセミナーへ参加しましたが、その後「不動産投資の失敗談」が聞ける有料セミナーに参加しました。こういったセミナーで先輩の話を聞き、その人の考え方や知恵を吸収しました。
 
また、サラリーマン投資家が集まるコミュニティにも参加して積極的に話を聞き、知識を増やしていきました。こういった場所で自分と価値観が似ている人と出会い、いい方向に向かっていきました
 
また、サラリーマン時代は勉強に使える時間は極めて少なかったので、出勤前の30分と昼休みの15分と退社後の1時間を不動産賃貸業の勉強時間にあてました。
私が忙しいのと同じように、金融機関の担当者も不動産業者の担当者も多忙ですから、相手の時間をあまり取らないように、主に2つのことを実施しました。
 
ひとつは、頼まれた資料は24時間以内に提出するか2日以上かかりそうな場合は、いつまでにできるか報告するようにしました。
もうひとつは、あたりまえのことですが、約束の時間を守ることです
 
それから金融機関の方には経営者として数字でアピールすることにしています。マクドナルドで学んだ、計数管理能力をアピールして信頼関係を構築しました。
 
マクドナルドでは、毎月損益計算書を作成していました。予算、実績を管理、分析して次月の改善計画を立てます。
 
それを自分の不動産賃貸経営に応用し、不動産業者や金融機関を訪問するときは、数字の裏付け資料を提出しています。具体的には、相続税路線価、積算評価計算、収益評価計算、仲介手数料、固定資産税など、根拠となる数字や運営に必要な経費を計算します。
 
ビジネスオーナーとしての能力は、ランニングコストや修繕費に対する回収機関の計算などを語ります。
 
こういった数値管理は時間がかかりますが、不動産会社や金融機関から見て、共に事業を進めるパートナーという位置づけを得ることができます。すると、関係性が深まり、よりよい物件情報を入手できたり、融資の条件が有利になることもあります
 

3,不動産投資融資の最新事情


編集部:なるほど。人の話をよく聞く。それだけでなく、考えや知恵を見極める。楽しみは後にして眼の前のことを精一杯やる。道具としてのお金は計数管理して効率よく利用する。といった感じでしょうか。
ところで、今は宇都木さんが不動産投資をはじめた2014年と不動産投資を取り巻く環境が大きく変わっていると思いますので、今は当時と同じ手法を使えないのではないかと思います。ですから、これから不動産投資を始める方が、どういう手法で行えばよいのかについて参考になるお話お聞きしたいと思います。
 
たとえば、上場企業に勤務しているサラリーマンの方で、年収700万円、自己資金500万円くらいの方がいたとします。その方がまず、年間キャッシュフロー600万円を目指そうというケースについてお聞かせいただけますか。
 
年間キャッシュフロー600万円を得るためには、およそ2億円の物件が必要ではないかと思います。2億円の物件を現金で購入できる人少ないと思いますので短期的に達成したい場合には融資を受けることになります。
今、金融機関は不動産投資物件への融資を引き締めていると言われていますが、実際どういう状況でしょうか?
 
宇都木さん:はい。私が知っている限り、確かに金融期間は融資を引き締めています。特に過去に不動産投資物件融資を受けたことがない方に対しての融資は、ほとんど行っていないということです。
 
これから新規で融資を受ける方には、ある程度の資産を求めると聞いています。現金や負債のない土地建物があれば、そういった物を担保に融資を受けることができます。
 
ですが、ある程度の資産がなくても事業として収益が見込める案件であれば可能性は0ではないようです。(2019年6月現在)
「不動産投資」という姿勢ではなく、「賃貸経営」というビジネスとして取り組む姿勢がとれるかどうかがポイントになります。
 
編集部:年収額よりも、保有資産が重要ということですか?
 
宇都木さん:はい。年収よりも保有資産額が重要です。たとえば年収1,000万円でも預金額が少ない人より、賃貸経営事業の資金として毎月確実に積立を実施している人のほうが金融機関からの評価は高いです。
 
また、資金計画も含め、魅力的な事業計画をプレゼンすることが融資を受けるためのポイントです。
 
編集部:目安として、資産額はどれくらいあれば融資に取り組んでもらえるのでしょうか?
 
宇都木さん:それは金融機関によって異なりますし、事業計画の内容次第なので一概には言えませんが、私の感覚値ではだいたい500万円〜1,000万円くらいだと思います。
それくらいの資産と、金融機関によっては魅力的な事業計画があれば融資に取り組んでもらえる可能性は0ではありませんので諦めずに金融機関を開拓することが重要です。
 
それと、その資金をどのように貯めたのかということも重要です。例えば、「株式投資で得た資金」というよりは、将来賃貸経営を行うためにコツコツと貯めてきた資金で取り組むという方が印象が良いかもしれません。積立の履歴がわかる定期預金通帳などがあると信頼度が上がります。
 
数ヶ月の積立でも印象が変わることがありますから、1年後に融資を受けて賃貸経営に参入したいという場合は、これまで何もしていなかった方も初めてみるといいかもしれません
 
編集部:なるほど。賃貸経営を行うために地道に資金作りを行っているという姿勢が大事ということですね。
 
宇都木さん:はい。そうですね。金融機関は経営者の事業に取り組む姿勢を見ていますので、そういうところが重要です。
 
編集部:宇都木さんも、当初は金融機関開拓に苦労されたということですが、具体的にどういった苦労がありましたか?
 
宇都木さん:そうですね。最初は法人で、ある銀行から融資を受けようとしたのですが、当時その銀行は年収700万円以上の会社員にしか融資をしなかったのです。ですから、地元の地銀・信金を開拓して法人で融資を受けました。
 
編集部:法人で融資を受けた理由はどういったことですか?
 
宇都木さん:はい。個人の場合は、年収の数倍という審査基準になりますので、必ずどこかで頭打ちになります。法人の場合は、決算書の内容次第ですが上限はありません。私は当初から規模拡大を考えていましたので、法人で賃貸経営を行いました。また、税金面でもメリットがあります。
 

4,金融機関へのプレゼンはここを押さえる


編集部:ありがとうございます。それと、金融機関に賃貸経営の事業計画を伝える時に、事業計画書をもとにプレゼンすることになると思いますが、その時に重要なポイントはどういったところでしょうか?
 
宇都木さん:そうですね。金融機関によって聞かれる内容が違いますが、どの金融機関でも「なぜ賃貸経営をするのか」という動機を重視します。銀行側から見るとただ単に「儲けたいから」ということでは積極的に融資に取り組む意義がありません。
 
事業に「社会性」があるかどうかがポイントではないでしょうか。私は、不動産賃貸業には地域貢献という側面があると考えています。地域の人の生活のベースとなる「衣・食・住」の「住」環境を提供するのですから、いかによい住環境を提供するかというプランが必要です。
 
それから、具体的に満室経営を目指す戦術を伝えることと合わせて、収支シミュレーションを何種類か作成して数値計画を提出することも重要です。
 
また、決算書を作成する際に、BS・PLだけでなく、キャッシュフロー表を作成して現金の動きを明らかにすることですね。これは言われる前に出すと金融機関の融資担当者から喜ばれます。
 
編集部:賃貸経営をする上で、「社会性」が重要ということですが、具体的に社会から大家さんが求められているテーマはどういうことがありますか?
 
宇都木さん:はい。たとえば、空き家活用と快適な住環境の提供という観点で言えば、古い間取りを今の時代に合った間取りにリノベーションすることや、収納を増やして快適に暮らせる環境にするということはいいと思います
 
築30年くらいのアパートの3DKを2LDKに変更して収納を増やすリノベーションすると、入居者の利便性が上がりますので、社会性が高い取り組みだと思います。……続きを読む


著書:わずか“1年"で“家賃年収2000万円"を達成した「ユダヤ式」不動産投資術
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