激務の会社員から1日30分で家賃収入4,000万円を実現した「MBA式3つの戦略」【後編】

<不動産投資家実践ストーリー #2> 「ママチャリ大家」小林ヒロシさん


前編はこちら

6,初心者が月間キャッシュフロー50万円を目指すには

編集部:土地勘があるエリアで保有物件を増やしていくということは、たくさんのメリットがあるのですね。ところで、『不動産投資Navi』は、30代〜40代の会社員、医師、弁護士、公務員で、職場では比較的高いポジションにいらっしゃる方向けの情報を発信しています。

そういういう方々は、お仕事がとても忙しいので、効率よく不動産投資の勉強するためにはどうすればよいかをお伝えしています。多くの方にとって参考になることは、一つのケースを、「先輩不動産投資家ならどう考えるか」ということではないかと思います。

そこで一つお聞かせいただきたいのですが、例えば、いま小林さんが年収700万円くらいで、自己資金500万くらいあるとしましょう。そしてまず、「月間キャッシュフロー50万円を目指したい」という目標を設定した場合、小林さんならどうされますか?

小林さん:そうですね。今は融資が締まってすので、どこまで融資を引けるかがカギになりますね。僕だったら、5,000万円くらいで実質利回り8%くらいの一棟物を探して、できる限り多く融資を引ける銀行を探します。これだと家賃収入400万ですからその半分の200万円をストックして自己資金を回復させて次の物件を買うという方法ですかね。

今は会社員が融資を受けにくくなっているようなので厳しいかもしれませんが、諦めずに探せば融資が受けられる銀行が見つかる可能性はあります。

編集部:ありがとうございます。会社員が融資を受けにくくなっているという話は不動産投資家の方がみなさんおっしゃいますが、それでも諦めずに銀行を開拓すれば可能性はあるわけですね。具体的に融資を引くためには何をすればいいと思われますか?

小林さん:僕も、以前ある物件を取得するときになかなか融資が受けられず困ったことがありました。そのときは、どうしてもその物件を取得しないと、「家賃収入だけで生活するようになる」という夢を実現できなくなってしまいそうでした。ですから、「絶対に諦めない」という決意をして、銀行を40〜50行回りましたね。最終的に千葉銀行から融資を受けることができて、それで会社員を卒業することができました

7,「自由になりたい」思いが自分を突き動かした

編集部:すごいですね!やはりそれくらいの意気込みでやらないといけないということですね。「諦めない」言ってもなかなかそのモチベーションを維持するのは大変だと思います。
よく、目標を明確にして、その姿をありありと頭の中で描けるようになるといいとか、紙に書いて毎日見て無意識に刷り込むといいと言うようなことが言われていますが、小林さんもそういうことをされましたか?

小林さん:もちろん不動産収入だけで生活できるようになって、リタイアするという目標はありましたが、僕の場合はそこまでやりませんでした。

そうですね。僕の場合は何より「自由になりたい」という思いがかなり強かったです。他人に支配されたくないから、自由になるために、家賃収入だけで生活できるようになりたい。そのために何をしたらいいのかを日々考えて、目の前のことをひたすらやってきました。

それと、不動産投資である程度の実績を作って自分のやり方を確立できていました。だから、新たな物件を取得するときも、そのやり方を踏襲すれば間違いなく実績が出て、返済できるという自信がありましたので、諦めずに行動できたのかもしれません。

8,入居者がバットで部屋を破壊し大損害

編集部:すごいですね。やはり「絶対に成功する」というマインドが重要ということですね。
話が少し変わりますが、これまで不動産投資で失敗した事例はありますか?

小林さん:夜逃げされたことが2回ありますね。それも大変でしたが、一番大変だったのは、入居者が夜中にバットを振り回して部屋中を破壊してしまったことがありました。修繕に70万円もかかりました。それだけでなく、その騒ぎで怖くなった別の入居者が退去してしまうといことがありました。

修繕費用は持っていないということで回収できませんでした。そのひとは少し精神的に問題があるひとだったようですが、入居審査の時点では気づかなかったのです。普段はどう見ても普通の人だったので、仲介会社も気が付かなかったようですね。

後でわかったことですが、入居する前にも精神的な問題があり、入院していたようです。生活保護を受給しているひとでした。僕は基本的に生活保護でも家賃保証会社の審査が通ればOKするのですが、生活保護を受けている理由を少し詳しく確認するとかなにか対策が必要かもしれませんね。ただ、個人情報保護の観点からどこまで聞けるかはわかりませんけど。

9,これから不動産投資を始めるひとが成功するために

編集部:怖いですね。そういうことの対策も必要なのですね。
これから不動産投資を始める方に、アドバイスをお願いします。

小林さん:はい。不動産投資は、株式投資や投資信託など他の投資商品とは違います。投資先を選んで資金を投入するというものではありません。そういう感覚でやると、少し前に問題になったシェアハウス投資や、某アパート投資のような「30年家賃保証」などといった甘い言葉に騙されることになります。

僕は、なぜ不動産投資が他の投資手法と同じカテゴリーで括られているのかよくわかりません。「不動産賃貸業」という事業と捉えて、自分で判断して全責任を負う覚悟で取り組まないと失敗します。きちんと時間を捻出して勉強してからはじめたほうがいいと思います。

それから、投資する場所が20年以上先も有望であるかどうか予測することもだいじですね。繰り返しになりますが、不動産投資は立地が重要です。あとは、不動産が好きかどうかというのもだいじなポイントなので、あまり好きでないという方は、好きになる努力をするか、不動産投資はやめておいたほうがいいかもしれません。好きなことなら苦もなく努力できますが、好きでなければ辛いだけです。

それから、知識をつけるだけで行動しないひとがけっこういますが、頭でっかちになっても行動しなければ結果は出ません。勉強すればするほど、リスクが浮き彫りになってくることがあります。それがクリアできるまで行動できないのかもしれませんが、どこまでいってもリスクが0になることはありません。

僕たちが不動産投資をはじめた頃は、あまり個人の不動産投資家がいなかったので、ノウハウ本もありませんでした。でも今は、不動産投資関連の書籍がたくさんあります。大家の会もたくさんあります。本をたくさん読んで、先輩大家さんからアドバイスをもらって、自分で計画を立てたらとにかくはじめてみることが大事です

ただ、大家の会は、入り口を安くして、入会後に高額商材を売っていたりするところもあるようなので注意が必要です。もっとひどいのは、主催者側が持っているそれほど良くない物件を、「未公開物件」などと称して、さもいい物件のように語って売り込んでくるケースもあるようです。こういうことには注意が必要です。

いずれにしても、行動しないとはじまりません。まずは金額がそれほど大きくない中古の戸建を買ってみるとか、リスクが小さい方法でスタートしてみることをおすすめします

10,これからも入居者満足度を高めて手堅く

編集部:ありがとうございます。不動産投資は、不動産賃貸事業という事業として捉えて、真剣に取り組むことが大事ということですね。たしかに、不動産投資は金額が大きいので始めるまでのハードルが高いと思います。でも、はじめてみないとわからないことが多いので、一定のレベルまで学習したらできるだけリスクが少ない方法で実践してみる。そして試行錯誤していくことが成功への近道ということですね。
最後に、今後不動産投資家として、どのようなところを目指しているか、ビジョンなどありましたら教えていただけますか?

小林さん:今後は、いま持っている物件の管理をしっかり行って入居者の満足度を高めていきたいです。あと1件くらい物件を買ってもいいと思っていますが、いまは僕が対象にしているエリアで、なかなかいい物件が出てきません。いい物件がみつかれば、それを購入し、いま持っている物件を売却して入れ替えることも考えています。融資が厳しいので物件価格が下がってきているとはいえ、都内はまだまだ下がってきている印象はありません。慌てず地に足をつけて手堅くやっていくつもりです。


ありがとうございました。小林ヒロシさんにお話をうかがって感じたことは、とにかくロジカルでわかりやすいということです。MBAホルダーであり、中小企業診断士資格も持っている小林ヒロシさんならではの視点でロジカルに不動産賃貸事業を実践されています。小林ヒロシさんの著書『1日30分で年4000万円稼ぐ! スマホ1台でらくらく儲かる不動産投資法』では、これから不動産投資を始める方にとっても参考になる、物件の探し方、入居者の集め方、物件管理の方法などについて詳しく解説されています。ぜひあなたの不動産投資の参考にしてもらいたいと思います。

インタビュー実施2019年4月 

小林ヒロシさんの著書
『「自主管理」で年4000万円稼ぐマンション経営術』
『1日30分で年4000万円稼ぐ! スマホ1台でらくらく儲かる不動産投資法』

不動産投資家。楽待の「8人の成功者による不動産投資ノウハウ完全版 8つのステップ 2014」の講師に約2万人の投資家の中から選出される。

ゼロから不動産ビジネスを始めて、現在、東京都内に7棟(新築2棟、中古5棟)のビル・アパート・マンションとコインパーキング・月極駐車場を複数経営。
保有物件を自宅から5km圏内の地元に限定し、「ママチャリ」を駆使して自主管理している。稼働率は、ほぼ満室の98%をキープしている。

東京生まれ、東京育ち。大卒後、海外取引メインの商社、外資系マーケティング会社などを経て、2011年サラリーマンを卒業、独立。

MBA(経営管理修士)、中小企業診断士、1級販売士、GCS認定コーチ、英検準1級、法政大学院イノベーション・マネジメント総合研究所 特任研究員、地元の区の「ビジネス相談員」、企業顧問、経営コンサルタント、ネイティヴによる英語スクールの共同経営者など、様々な顔を持つ。

好きなことは、読書、サッカー、愛犬との散歩。

好きな言葉は、成功とは、自分らしく生きること。
失敗とは、他人と比較して生きること。

関連記事

新着記事

  1. 親の家を賃貸に出す方法ガイド:空き家を有効活用して安定収益を得る秘訣

  2. 円滑に進める実家の片付け:コツと手順ガイド

  3. 親の家を賃貸に出すべきか?メリット・デメリットと注意点を解説

  4. 実家の片付けをスムーズに進めるコツと方法

  5. 3年以内に登記しないと10万円以下の過料も! 不動産相続登記義務化のポイントと対策

Upcoming Events